研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は2つあり、1つ目は在来軸組2階建木造住宅の振動特性(固有振動数・固有振動モード・減衰定数等)を水平起振実験から求め、住宅の屋根と外壁を分類して、1階の壁充足率との関係を求めることである。また2つ目は、木造住宅の耐震補強工事の前後で水平起振実験を行い、振動特性値の変化量と耐震補強による壁増加率との関係を求めて、耐震補強の効果を振動実験から評価できるか検討することである。研究期間の2年間で、1981年までに建てられた72棟の在来軸組構法の2階建木造住宅について、耐震補強工事の前後で水平起振実験を実施して、振動特性値の変化量を求めることができた。これらの住宅は、研究代表者と産学協同研究を行っている愛知県内の住宅工務店が耐震補強工事を実施したものである。耐震補強前の実験結果と住宅の屋根や外壁の分類と壁充足率と対応させて、以下の知見が得られた。(1)1981年以前の在来軸組構法2階建木造住宅は、屋根を「非常に重い屋根」「和瓦と葺土」「和瓦のみ」「スレートなどの軽い屋根」の4種類、外壁を「壁土と金属張」「サイディング」「モルタル塗」の3種類に分類すると、水平起振実験から求められた固有振動数は、1階各方向の壁充足率と良い正の比例関係が得られる。(2)住宅を屋根別に分けて固有振動数を比較すると、同じ1階壁充足率でも屋根が重いほど固有振動数が低い。(3)住宅を外壁別に分けて固有振動数を比較すると、同じ1階壁充足率でもモルタル塗は、金属張やサイディングより固有振動数が高い。住宅の耐震補強方法と補強前後の実験結果と対応させて、以下の知見が得られた。(4)1階の耐力壁を改修や新設した場合には、その方向の固有振動数が高くなる。(5)1階の独立柱等の端部を摩擦ダンパー付プレートにより梁と固定させると、その方向の変位振幅が小さくなり、減衰定数が増加する。
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日本建築学会東海支部研究報告集 43号
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Summaries of Technical Papers of Annual Meeting Architectural Institute of JAPAN, Tokai Branch Vol.43
日本建築学会大会学術講演梗概集 構造III
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Summaries of Technical Papers of Annual Meeting Architectural Institute of JAPAN Structure-III