研究概要 |
本研究は,新しい「騒音に係る環境基準」で導入された"道路に面する地域における面的評価"を行うために必要な建物群による道路交通騒音減衰量を簡便に予測する手法を提案することを目的としている。具体的には,平面道路または盛土道路に面した地域における建物群による道路交通騒音減衰量の予測方法を提案し,これらの地域における騒音レベルの分布状況を明らかにして,提案した予測方法が沿道における騒音の面的評価に有効であることを示すものである。 このような目的を達成するために,半無響室において1/20の縮尺模型実験を行い,その結果に基づいて,平面・盛土道路の沿道における戸建て住宅群による道路交通騒音減衰量に関する新しい予測法を提案した。過去の研究では,実験システムの制約から(実スケール)200Hz〜1,600Hzの周波数成分だけを考慮していたものを20Hz〜5,000Hzまで考慮できるように実験システムを改良することによって実験精度を向上させ,併せて,これまで平面道路だけを対象としていたものを平面及び盛土道路に拡張したものである。この予測法の提案に続いて,提案した予測法を用いて,沿道に様々な戸建て住宅が建つ住宅地を想定して,その地域の道路交通騒音レベル分布を数値シミュレーションによって求め,騒音レベル分布状況を明らかにした。さらに,シミュレーションの結果をASJ Modelとの比較検討し,提案した方法が沿道における道路交通騒音の面的評価に有効であることを示すとともに,ASJ Modelを用いて面的評価をする場合の注意点を指摘した。
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