循環型社会を指向する木造住宅生産供給システムに関し、資源循環の中でも重要な位置にある住宅リフォームに関する建材の諸問題について調査を行った。現在供給されている建材は、現状では、なお、新築時に求められる要件への適合性に主眼をおいて製造されている面が強いが、一方では、循環型社会への対応と、その一環としての建設リサイクル法やグリーン購入法への適合について、意識が高まりつつある。こうした状況において、各種の建材について、リフォームへの適合性などの調査を行った。その中で、現在多く製造されている建材は、新築時に求められる各種の機能性能や施工性については水準が高く、省エネルギーなどの環境負荷の抑制にも配慮されているが、リフォーム時の問題への対応は総じて不十分であり、解体、再使用、再生利用などについては、課題が多いことを確認できた。特にリフォームに際して行われる、存置部分をできるだけ損なわない解体や取り付けについては、具体的な問題点を見いだすことができた。工具に関しては、リフォームに適したものの開発が求められており、その具体的なイメージアップを試みている。 関連して、公共建築ストックの状況についても調査を行った。建築ストックの状況については、調査が難しい面があったが、各種の資料を分析し、その概要を明らかにできた。民間建築のストックについては、これまでの既往の研究で、その概要が報告されており、あわせると、我が国の建築ストックの全容に関わる資料が整ったこととなる。
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