本年度は、以下の要領で研究を実施した。 1.普通教室における教室用机・いすと児童・生徒の体位との適合状態を把握するために、全国からいくつかの拠点校(北海道、福島県、山形県、長野県など)を選定して小学校児童および中学校・高等学校生徒の学校用家具の導入実態について意向調査を実施した。 2.児童生徒の体位の経年変化を「学校保健統計調査報告書」等をもとに整理した。 3.改訂JIS規格の教室用机・いすが導入された学校において、児童生徒の体位と当該家具との適合意識を把握する環境移行調査を実施した。また、当該教職員を対象にして新JIS規格の学校家具に関する意識調査を行い、現時点での教育現場における管理実態などを把握した。 4.従来のJIS規格と新JIS規格の教室用机・いすを使用する場合の姿勢変化(立つ-座る等)の違いに着目して、その必要動作寸法を連続的に画像解析ができる写真計測などを行い、動的に可視化したデジタル・データベースの構築を試案した。 5.今回購入したマルチン氏型人体測定器を活用して、主要な拠点校を対象に児童・生徒の身体各部寸法について詳細な人体計測を行った。 6.前項に並行して当該校の教室内における児童・生徒の体位と学校用家具とのスペース的な関係などについて環境行動学的に分析した。
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