本年度は、本研究の最終段階として、下記の内容で研究をまとめた。 1.平成15年度から実施してきた小学校児童および中学校・高等学校生徒の学校用家具の使用実態調査の結果をまとめて、普通教室における教室用机・いすの適合状況を把握して、今後の改善点などを指摘した。 2.児童・生徒の体位と当該家具との適合実態を把握するために、新JIS規格の教室用机・いすが導入された学校を対象に、導入前と導入後の環境移行による利用者の意識調査を実施して、その結果から新JIS規格の製品導入に関する問題点を探った。 3.教職員を対象とした新JIS規格の学校家具導入等に関するアンケート調査などの結果から、教育現場における学校用家具などの什器類の管理実態などについて検討した。 4.新JIS規格の教室用机・いすを使用する児童・生徒の姿勢の変化(立つ-座る行為)に必要な動作空間について、人間工学的な動作実験を行い、座席周囲に必要なスペースの計測データを数値化した。 5.近年の児童・生徒の体位データをもとに得られた前項の座席周囲に必要なスペースの結果から、教室内の児童・生徒数と座席配置の関係などについて検討した。 6.上記の結果をもとにして、多様化や情報化が進展する学校教育の実情に対応させて次世代の教室空間の設計計画に向けた具体的な展開を考察して、総合的に成果報告書としてまとめた。
|