昨年度に引き続き石川県内においてのいくつかのワークショップやワーキンググループに関わってきた。それらについては昨年度と同様アンケート調査を実施して、意識の変化を追跡することでワークショップの効果を確認している。 また、ワークショップ実施経験者の手法に関する認識の解明については、合計8名の協力を得ることができた。これらの方に対してPAC分析という心理構造の定性的同定手法を応用したインタビューを適用し、ワークショップに対する取り組みの認識を明らかにすることができた。 その結果、出現した連想語や結びつきの連鎖構造は人によりかなり異なっていたが、「人と人との関係」「参加者の意識」「環境」「方法・手順」といった点へ着目しているという点は共通であった。ワークショップ実施時の注意点もここにあるものと考えられる。サウンドエデュケーションを中心としたファシリテータは、内発的な気付きに重点を置いている場合が多く、一般的なまちづくりのファシリテータでは、成果までを視野に入れているためか、「方法・手順」に重点を置いている傾向があった。 さらに、学生被験者を対象にしたワークショップを行い、その中でどういうことを意識するようになったかを、同様の手法で確認している。 その結果、ファシリテータに対してと同様、出現した連想語や結びつきの連鎖構造は人によりかなり異なっていたが、「人から感じたこと」「自分が感じたこと」「環境」「方法的な要望」という要素が現れた。比較的類似した構造を、ワークショップを受ける側も感じていることが示された。
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