自然と触れ合いながら遊ぶ機会が少なくなった今日において、幼児が1日の大半を過ごす幼児施設の遊び空間の拡がりをもつ園庭は、自然と向かい合いながら生きるための力を育てる貴重な場と考えられる。自然環境を取り入れた園庭は、地形、規模、形態、素材等の環境構成要素により多様な遊びの場を提供し、幼児の主体的遊び環境として、(1)遊び環境構成要素と遊びの場、(2)遊びの場と誘発要因、(3)空間規模と遊びの場に関して、次の結果が得られた。 (1)自然環境型遊び空間をもつ園庭は、築山のある場、起伏のある場、樹木のある場、水のある場があり、それらが複合的に構成され、遊びのきっかけや拠点を見い出して、多様な遊び場を提供する冒険的遊び空間として幼児に働きかけている。自然環境要素で構成された園庭は、単に機能性を優先した限定的な遊び空間ではなく、幼児自ら主体的に遊びの発見、創造、拡がりを促す遊び空間であり、幼児の体力と感性を育む遊び環境となっている。 (2)自然環境型の園庭は、遊具・道具性を強く発信している既設の遊具以外に多様な遊びの場が拡がり、その誘発要因の多くは素材・素形性、自然性、回遊性であり、自然環境を通して遊びの要素を自由に、容易に、手に入れ、構成することができ、遊びの創出へと繋がっていると考えられる。遊びの場は園庭全体に分散発生し、樹木、築山、小屋、遊具等の配置や活用が効果的に働いている。自然との共生によって幼児の主体的な遊びを喚起し、遊びの多様性を高めているところに自然環境型の園庭の特性があると考えられる。 (3)自然環境型の園庭における遊びの場は、空間規模より自然環境によって有効性を発揮し、多様な遊び空間が創出され、環境構成要素に対応した遊び環境が構築される。
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