研究課題/領域番号 |
15560558
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
矢ヶ崎 善太郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90314301)
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研究分担者 |
松田 剛佐 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (20293988)
日向 進 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (60111994)
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キーワード | 近代和風 / 数奇屋大工 / 木村清兵衛 / 八木甚兵衛 / 臥龍山荘 / 田能村直入 / 煎茶文化 / 中野家文書 |
研究概要 |
京都で茶家などに出入し、茶室や数寄屋建築を手がけてき数寄屋大工・木村清兵衛が東京に移住してからの仕事について、木村家所蔵の資料を調査・整理し、それをもとに木村清兵衛の東京での事績を明らかにした。また、近代茶室の特徴を解明するため、近代の建築家が手がけた茶室の考察を試みた。本年度は藤井厚二が手がけた茶室について調査を行った。 住友家出入の大工であった八木甚兵衛の愛媛県新居浜での仕事と関西での仕事について、住友資料館所蔵資料からその事績を明らかにした。関西における仕事の一部については実測調査を行い、図面を作成した。また愛媛県大洲市にある臥龍山荘の建設経緯を明らかにする資料(「中野家文書」)を大洲市立博物館で発掘し、それの整理に着手した。資料を詳細に検討することにより、関西から各職方が出向いて仕事を行うことになった経緯やその意味、あるいは愛媛県を中心とした四国北部における、関西の職方の動向と影響が明らかになる可能性を見出した。 近代和風建築や庭園の意匠の展開に大きな影響を与えたと考えられる、文人といわれる人たちの動向や煎茶文化の展開について、資料収集ほか実地調査を行った。特に四国・中国地方において、文人画家である田能村直入が多くの足跡を残し、それらの地域で和風建築や庭園の造営に関与していたことを解明した。より広範囲かつ詳細な調査によって、直入以外の文人たちの足跡とその影響の解明が期待できる。 近代和風建築および庭園の意匠と煎茶文化の関係を明らかにするため、煎茶図録を収集し、煎茶が行われた場の性格を考察したほか、東京都板橋区立郷土資料館蔵『椿山日記』等の煎茶資料を収集、考察のための準備を行った。
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