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2004 年度 実績報告書

在郷町橋本における問屋建築の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15560564
研究機関長岡造形大学

研究代表者

平山 育男  長岡造形大学, 造形学部, 助教授 (50208857)

研究分担者 藤川 昌樹  筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (90228974)
キーワード問屋 / 町家 / 分割 / 長屋 / 在郷町
研究概要

近世初期に町が開かれた和歌山県橋本市の橋本は、町を開いた高野山の僧応其が秀吉から塩市の独占的な権利を認められ、これが近世を通じて町を経済的に支えた。当時さして広くはない町中には20軒余の塩問屋が軒を並べ、併せて材木問屋等も見ることができた。つまり近世における橋本は問屋を中心とする在郷町として発展したことが明らかとなり、現在の町並みには、近世に建築されたこれら問屋の建築遺構も幾棟か現存することが一連の調査で明らかとなった。
調査では問屋の遺構を中心に建築調査を実施し復原考察を行うとともに、その建築的特色を抽出した。その結果、古くから長期間問屋を勤めた住宅では土間を比較的広く占める2列2室の構成に復原されるという結論を導いた。比較研究として、一般の商店と考えられる住宅の建築調査も実施したが、1列2室の形式が多いが、問屋の期間が短い住宅ではこの形態も多く見られた。なお、隣接する、川原町、東家の町においても比較調査を実施した結果、2列2室形の住宅は少数で、多くが1列2室の形式に復原された。
一方、江戸時代における特権を剥奪されて以後、現状の問屋建築において塩問屋を営むものは1軒に過ぎなかった。建物が現存するものの内、住宅とされるものが4棟、店舗に転用されるものが4棟あり、明治時代以後に建て替えを受けたものが7棟、撤去が3棟確認された。店舗に転用されたものの内、2棟は分割を受けており、良質な住宅が形を変えながら現存することも確認された。また、建替えられたものの多くは戦前期の早い時期で、小売店舗など、時代の要請を受けた建替であることが確認された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 高野山への日帰行について 和歌山県橋本市中心市街地の町と町家の研究 その302004

    • 著者名/発表者名
      平山育男
    • 雑誌名

      平成16年度日本建築学会近畿支部研究報告集

      ページ: 1009-1012

  • [雑誌論文] 橋本市中心市街地東家地区の町家と町並み 和歌山県橋本市中心市街地の町と町家の研究 その312004

    • 著者名/発表者名
      西澤哉子, 平山育男, 御船達雄, 梅嶋修
    • 雑誌名

      平成16年度日本建築学会近畿支部研究報告集

      ページ: 1013-1016

  • [雑誌論文] 旧中崎家住宅-近世の構法を引き継ぐ近代の町家・長屋建築 和歌山県橋本市中心市街地の町と町家の研究 その322004

    • 著者名/発表者名
      梅嶋修, 平山育男, 御船達雄, 西澤哉子
    • 雑誌名

      平成16年度日本建築学会近畿支部研究報告集

      ページ: 1017-1020

  • [雑誌論文] 橋本川原町の高松家住宅について 和歌山県橋本市中心市街地の町と町家の研究 その332004

    • 著者名/発表者名
      御船達雄, 平山育男, 梅嶋修, 西澤哉子
    • 雑誌名

      平成16年度日本建築学会近畿支部研究報告集

      ページ: 1021-1024

  • [雑誌論文] 資料に見る橋本の鮎狩と旅館-橋本の旅館建築8 和歌山県橋本市中心市街地の町と町家の調査研究342004

    • 著者名/発表者名
      西澤哉子, 平山育男, 御船達雄, 梅嶋修
    • 雑誌名

      日本建築学会2004年度大会学術講演梗概集 F-2

      ページ: 157-158

  • [雑誌論文] 池永家文書にみる屋敷構えの変遷 和歌山県橋本市中心市街地の町と町家の調査研究その352004

    • 著者名/発表者名
      梅嶋修, 平山育男, 御船達雄, 西澤哉子
    • 雑誌名

      日本建築学会2004年度大会学術講演梗概集 F-2

      ページ: 159-160

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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