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2003 年度 実績報告書

自己組織化空間パターンによる骨類似ポリマー・セラミックス複合体の新規合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15560587
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

今井 宏明  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70255595)

キーワード生体材料 / 有機無機複合材料 / リン酸カルシウム / 自己組織化 / リン酸カルシウム / 吸水ポリマー / 拡散 / 吸着
研究概要

本研究の目的は、ナノレベルからマクロレベルで制御された3次元的な階層的構造を有するポリマー・セラミックス複合材料の新規な合成方法の提案とそれを利用した生体機能性材料の開発である。平成15年度には第1段階として以下の2つの成果が得られた。
第1として、自己組織化的に形成される周期的な空間パターンを生体機能材料として期待されるリン酸カルシウム系セラミックスの合成に適用することを試みた。比較的取り扱いが容易なポリアクリル酸などの吸水性高分子をゲル状マトリックスとして用い、この反応場においてマトリックス中の官能基、原料の種類、温度、拡散と反応条件などのパラメータをコントロールすることで自己組織化空間パターンを制御するための基礎的な知見を得た。その結果、ナノレベルの周期的沈殿現象および生成する結晶相の制御が可能となり、骨類似なナノおよびミクロンレベルの生体親和性ポリマーとセラミックスの絡み合い構造構築のための基礎技術が確立された。
第2には、ポリマー・セラミックス複合化の基礎となるゲルマトリクス内における結晶成長についてモデル系を構築して検討をおこなった。種々の結晶成長を検討した結果、ゲル内の結晶形態に影響をおよぼす因子として、マトリクスによる溶質の拡散制御と、ゲル化剤分子の結晶表面への吸着による成長制御が重要であることを見出した。前者は、拡散律速環境を形成することで微細な分岐やねじれ構造を誘起し、後者は、出現する結晶面の選択性やキラリティの制御に有効である。これらの基礎的知見は、生体セラミックス・高分子複合における自己組織化的構造制御に有益な知見であると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Imai, K.Furuichi, S.Tatara, Y.Oaki: "Formation of calcium phosphate having a hierarchically laminated architecture through periodic precipitation in organic gel"Chemical Communications. 1952-1953 (2003)

  • [文献書誌] Y.Oaki, H.Imai: "Experimental demonstration for the morphological evolution of crystals grown in gel media"Crystal Growth & Design. 3. 711-716 (2003)

  • [文献書誌] A.Kotachi, T.Miura, H.Imai: "Formation of silicate-mediated CaCO_3 films"Chemistry Letters. 32. 820-821 (2003)

  • [文献書誌] H.Imai, Y.Oaki: "Emergence of morphological chirality with helical twin crystals"Angewandte Chemie International Edition. 43. 1363-1368 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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