研究概要 |
硝酸セリウム、硝酸ネオジムなどの混合水溶液から共沈法により各種濃度のNdO_<1.5>添加CeO_2、GdO_<1.5>添加CeO_2、YO_<1.5>添加CeO_2の粉末試料を作製し、900〜1400℃の温度で焼成した。これらの試料をX線回折、ラマン分光で評価した。X線回折結果からNdO_<1.5>,GdO_<1.5>,YO_<1.5>を0〜約40%添加したCeO_2は蛍石型構造で、45〜75%NdO_<1.5>,40〜100%GdO_<1.5>,50〜100%YO_<1.5>添加CeO_2は希土類C型構造であり、3つの添加物を含むCeO_2の結晶構造は幅広い濃度領域で同じであった。しかし、ラマン分光ではこれらの試料間に差が見られた。Nd-CeO_2ではCeとOの結合に由来するラマンバンドに変化がなく、この結合がNd添加によって影響を受けていないことが分かった。Gd-CeO_2では30mol%GdO_<1.5>と40mol%GdO_<1.5>の間でCeとOの結合に由来するラマンバンドが急に変化したが、それ以外の濃度では変化しない。一方、Y-CeO_2では30〜80mol%YO_<1.5>の間でCeとOの結合に由来するラマンバンドは少しずつ変化した。すなわち、Nd,Gd,Y添加によって結晶構造は同じように変化するが、CeとOの結合に与える影響は違うことが明らかとなった。TEM観察や長時間加熱による影響については目下検討中である。さらに、CeO_2薄膜の作製も行った。フロー式反応装置に電極を導入し、均一沈殿法による反応をZrO_2基板上で行い、CeO_2薄膜を作製することに成功し、その作製条件についても検討した。
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