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2003 年度 実績報告書

水系電気泳動プロセスによる粒子堆積挙動の解明とセラミックス高次構造体の評価

研究課題

研究課題/領域番号 15560593
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

打越 哲郎  独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主幹研究員 (90354216)

研究分担者 目 義雄  独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, ディレクター (00354217)
鈴木 達  独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主任研究員 (50267407)
キーワード電気泳動法 / 水系溶媒 / pH / パラジウム
研究概要

水系溶媒を用いたセラミックス粒子の電気泳動堆積(EPD)プロセスでは、溶媒の電気分解により発生する気泡が基板近傍における粒子の泳動と堆積を妨げる要因となり、粒子堆積挙動に及ぼすサスペンションの諸特性や電流・電圧などの諸因子の影響の解明に関する研究はこれまでほとんど行われていない。本年度は、水素吸収特性に優れたパラジウムを陰極基板に用いることで粒子のカソードデポジションを妨げる水素気泡の影響を排除し、かつ電気化学的手法の併用により、水系EPDプロセスにおける粒子堆積挙動に及ぼす因子について系統的な検討を行い、以下の結果を得た。
1.定電流モードにおける粒子堆積速度は等電点よりわずかに酸性側のpHで極大を示す。この現象はサスペンションに印加される電圧の上昇による粒子のモビリティーの増大に起因する。2.pHをさらに酸性側に振ると、粒子表面へのプロトンの吸着量は飽和し、あるpHで溶媒の伝導度が急上昇する挙動が見られる。それ以上の酸の添加はイオンの輸率を増大させ粒子の輸率を低下させるため粒子堆積速度は大幅に減少する。同様に、pHを一定の条件に固定した場合でも溶媒中の塩濃度を増加させるとイオンの輸率が増大し、粒子堆積速度は減少する。3.pHを一定の条件に固定した条件での固相濃度の増大は、粒子の輸率を高め粒子堆積速度を増大させる。4.粒子の輸率は、最も高い場合でも0.01に満たず、電力の大部分が粒子ではなくイオン(主にプロトン)の運動に消費されている。この点は水系プロセスの欠点でもある。
パラジウムを陰極に用いた水系EPDプロセスでは粒子のチャージを常に正に制御する必要がある。そこでカチオン性分散剤について効果を検討し、ポリエチレンイミンの添加が有効であることも明らかにした。
平成16年度は、層厚の制御された3Y-TZ/Al_2O_3系積層コンポジットを実際にEPD法で作製し、特性評価につなげていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Uchikoshi, Y.Sakka: "Electrophoretic Deposition Characteristics of Alumina Particles in Aqueous Media"J.Ceram.Soc.Jpn. 112・4(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] F.Tang, K.Ozawa, T.Uchikoshi, Y.Sakka: "Dispersion of Titania Aqueous Suspensions with Polyethylenimine Polyelectrolyte"J.Ceram.Soc.Jpn.. 112・4(印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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