微粒子の分散安定化を目的として界面活性剤によるコーティング技術が開発され、微粒子を安定に保つことが可能となった。しかしながら、この方法では粒子間隔の制御まではできなかった。本研究では微粒子の凝集の防止と間隔の制御を目指し、直接シリカカプセル化法を開発した。具体的には粒径15nmのAuナノ粒子を対象とした。Auナノ粒子をクエン酸還元法で合成し、これに直接シリコンアルコキシドを作用させてAu粒子表面に吸着したクエン酸基上でゾル-ゲル反応を開始させ、シリカシェルを形成させた。濃度条件を調整することにより、シリカシェル厚を30〜90nmの範囲で変化でき、その吸収スペクトルをMie理論で説明することができた。Agナノ粒子においても同様なアプローチにより、良好な単核カプセル化粒子を合成することに成功した。 また、ディップコーティング法を用いて微粒子配列化を行い、良好な配列条件の探索を行った。具体的にはサブミクロンオーダーの球形シリカおよびポリスチレン粒子を配列対象粒子とした。粒子分散液中の粒子量を適切に選択すると、単層でコーティング可能であることがわかった。分散媒のpHや添加塩濃度を変化させたところ、いずれの系でも分散媒のイオン強度が小さいほど粒子は規則的に配列した。これは配列には粒子同士の反発力が重要であることを意味する。また、単層配列膜の上にも他の粒子を規則配列できることもわかった。
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