研究課題
基盤研究(C)
環境問題をクリヤーする塗装方法として静電粉体塗装が注目されている。静電粉体塗装ではコロナ帯電方式とトリボ帯電方式が主流であるが、コロナ帯電方式は塗膜表面の平滑性が十分でない。トリボ帯電方式では平滑性に優れた塗膜が得られるが、帯電列の関係で使用できる粉体塗料が制限される。本研究は電荷制御剤をトリボ帯電スプレーガンおよび粉体塗料に使用することによりこの問題の解決を試みた。はじめに、正帯電性電荷制御剤、負帯電性電荷制御剤をスプレーガンに見立てたナイロン(正帯電性)およびポリエチレン(負帯電性)製チューブに混入することにより電荷付与特性を修飾した。また、実際のスプレーガンはモールド法により作製されるため、電荷制御剤の耐熱性が十分でない場合を想定して、帯電極性の制御能力を有する酸化バリウム(正帯電性)と酸化モリブデン(負帯電性)の粉末も同様に混入した。電荷制御剤、金属酸化物粉末の混入(0〜5%)によりポリマーチューブのイオン化ポテンシアルは変化したが、一部、帯電性の制御が十分でない結果が見られた。混入した電荷制御剤、金属酸化物粉末がポリマー表面に露出していないことが原因と考えている。試作したチューブを用いて、エポキシ、アクリル、ポリエステル製の粉体塗料のトリボ帯電性を測定した結果、帯電性の制御は粉体塗料のポリマーの種類にある程度依存することがわかった。粉体塗料が十分帯電するケースでは1〜2μC/gの帯電量が得られたが、0.5μC/g程度の帯電量しか得られないケースもあった。つぎに、電荷制御剤を添加したポリマー粉体を試作してトリボ帯電性を調べた結果、帯電性は電荷制御剤により制御できることを確認した。ただし、電荷トラップの深さは変化しない。
すべて 2006 2005
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