研究課題
基盤研究(C)
狭開先では溶着金属量が多くなればビードは高くなるが、アーク熱が溶融池に与えられルートエッジまで届かない。そのため融合不良が発生し、機械的強度に関する問題を引き起こす。それゆえ一般的に、溶着金属の量はビード高さが4mm以下になるように決定される。さらに、アークの挙動は溶接電源特性、電極ワイヤ送給速度および溶接トーチモーションに依存する。ヒード高さと裏ビードを制御するため、電源・電極ワイヤ送給装置、および溶接ロボットを含む溶接装置の協調制御法を提案した。開先内で、溶接トーチを10Hzで振動させるだけではなく、ウィービングの中心に沿って前後に動かす、スイッチバック溶接法を提案した。まず、ウィービング中心を前進させ、アークによって母材のルートエッジに予熱を与える。これにより融合不良のない安定した裏ビードが形成される。つぎに、ウィービング中心をルートエッジと開先表面に溶滴を溶着させるために後方に動かす。これにより所望のビード高さを得る。アーク長が長くなれば熱をルートエッジに与えることが困難になり、接合部分に融合不良が生じる。溶融池を観察するために、CCDカメラの使用が有用であるが、溶融池の観察法に適用することは難しい。そこで、ウィービングの中心をトーチが通過するときにCCDカメラのシャッタを開き、溶融池の観察を行う。スイッチバック溶接法では、トーチの移動速度、電流、ワイヤ送給速度など、多くの溶接条件のパラメータが存在する。溶接条件の最適条件を求めるため、溶融池の数値モデルを熱伝導方程式によって記述する。差分法の適用による数値解析では、数値モデルを解くために莫大な時間がかかる。演算時間を省くために数値モデルの代替として、溶融池のファジィモデルを提案する。モデルは数値結果を用いて調節する。4mmから6mmギャップにあわせた最適なストローク長を推測する。ファジィモデルと提案された溶接法の有効性を証明するために、ギャップ変動の下で実験を行い、良好な溶接結果が得られた。
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