研究課題/領域番号 |
15560623
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
楊 続躍 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (20293128)
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研究分担者 |
三浦 博己 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30219589)
酒井 拓 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40017364)
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キーワード | 結晶粒微細化 / 連続再結晶 / 多軸鍛造 / 集合組織 / 超塑性 / AZ31マグネシウム合金 / 大ひずみ加工 |
研究概要 |
マグネシウム合金の大ひずみ加工下で生じる微細粒組織の生成過程と生成機構を明らかにするため、市販のAZ31合金に単軸圧縮と降温多軸圧縮加工を施した。その際に現れる変形特性と微視組織の生成過程との関係を調査し、次の諸結果を得た。 (1)単軸圧縮変形下のσ-ε曲線は、ピーク応力が100MPaを境に、高応力と低応力を生じる変形条件で異なる挙動を示した。 (2)低応力側では、変形に伴い結晶粒界は凹凸化し、粒界附近や結晶粒内にキンク帯が生じ、キンク帯の密度とその境界の方位差は加工軟化中に急増した。その結果、粒界の凹凸化を伴いながら粒内が分割されて高ひずみ域で微細粒組織が生じることから、微細粒生成は加工誘起による連続再結晶が働いて生じると結論された。 (3)高応力側では、降伏直後から(101^^-2)双晶が初期結晶粒内で頻繁に形成され、それに伴い変形応力が増加して加工硬化が急増した。レンズ状の(101^^-2)双晶は、降伏後の加工硬化中に急速に形成、成長し、低ひずみ域で初期粒全域を占拠した。その後、微細粒は粒界近傍でネックレス状に出現し、変形と共に粒内に伝播した。 (4)降温中の多軸、多段階変形下のσ-Σε曲線は、低ひずみ域ではピーク応力に達した後加工軟化に転じ、低温域の高ひずみ域では変形応力がほぼ一定となる定常状態変形を示した。 (5)多軸、多段階圧縮変形を施すことより延性-脆性遷移温度は大幅に低下するが、これは変形に伴い全域で微細粒組織が生成することに関係した。 (6)温度降下中の多軸多段階圧縮変形と共に微細粒組織が生成し、その結晶粒径は温度低下と共に顕著に減少した。これより、降温多軸加工法は微細粒組織の生成を促進させる最も有効な大ひずみ加工法であると結論された。
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