研究概要 |
1.超高強度ベイニティイクフェライト型TRIP鋼板(TBF鋼)の開発 (1)0.2C-1.5Si-1.5Mn(mass%)鋼において,1000MPa超級で張出し成形,深絞り成形及び伸びフランジ成形が可能なTBF鋼を開発した(2004年3月の鉄鋼協会春季講演大会で発表予定). (2)上記TBF鋼を温間加工することにより,さらに優れた成形性を発現することを示した(ISIJ Int.に投稿中). (3)亜鉛めっき可能なAl添加TBF鋼を開発した.さらに,NbとMoを複合添加し,より高強度なTBF鋼の開発に成功した(2004年3月の鉄鋼協会春季講演大会で発表予定). 2.TBF鋼の遅れ破壊特性 (4)0.2C-1.5Si-1.5MnTBF鋼がマルテンサイト鋼より優れた耐遅れ破壊特性を有することを明らかにした(鉄と鋼,Vol.90,No.3に掲載,Second Int.Conf.of Advanced Structural Steels(ICASS2004), April 14-16,2004, Shanghai, Chinaで発表予定). (5)さらに,これは残留オーステナイトが水素をトラップし,無害化することを提案した. 3.TBF鋼の疲労強度特性 (6)TBF鋼の疲労強度は比例限に支配され,疲労限度応力は比例限より少し高いことを示した(2004年5月の材料学会で発表予定). (7)このため,350℃以下のオーステンパー処理は疲労限度応力の改善に効果がないことを示した. (8)今後は,疲労限を高める処理を行い,疲労限度応力の改善策を検討する予定である. 4.実用化研究 (9)上記研究成果をベースに,某鉄鋼会社で実機工場試作を行い,成功した.(詳細については次年度以降に報告する)
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