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2004 年度 実績報告書

珪酸塩融体の熱伝導率の背面レーザフラッシュ法による計測とデータベース構築

研究課題

研究課題/領域番号 15560640
研究機関茨城大学

研究代表者

太田 弘道  茨城大学, 工学部, 助教授 (70168946)

キーワード珪酸塩融体 / スラグ / 熱移動 / 熱伝導率 / 熱拡散率 / レーザフラッシュ法 / 融体構造 / 熱物性
研究概要

溶融珪酸塩の熱伝導率測定には放射による熱損失、気泡、装置のセットアップの困難さなどの様々な問題がある。著者らはこれらの問題を克服した、単純なセル構造を持つ高温融体用レーザフラッシュ法を開発した。
この測定法を用いて、1600Kから1800Kの温度領域で、溶融Al_2O_3-CaO-SiO_2系珪酸塩融体の熱伝導率測定を実施した。試料は白金るつぼ(直径20mm、高さ5mm、厚さ0.2mm)の中で溶解する。このるつぼの底面をパルスレーザによって瞬間的に加熱する。このとき底面に吸収されたエネルギは白金るつぼを介して溶融試料中に伝播していく。試料中の熱の伝わる速さは、試料底面の白金るつぼの温度の減衰速度として検出される。レーザ照射後の試料底面の温度変化をInSb赤外線検出器で検出し減衰速度から熱伝導率を求める。
この測定法の特色は短時間測定にある。レーザ照射後の12ms間のみの信号を用いて解析を行うので、熱放射や対流の影響をほとんど受けない測定が可能である。
測定された熱伝導率は1.2から3.2Wm^<-1>K^<-1>の範囲にあり、組成依存性が認められたが、温度依存性は小さかった。
測定と並行して従来の溶融珪酸塩の熱伝導率に関する文献を調査しデータベース化して整理した。
溶融珪酸塩はSiO_4四面体が相互に連なったネットワーク構造をとる。CaOなどの酸化物を添加すると、このネットワーク構造が分断される。第一のモデルは、このネットワークの分断点がフォノンの障壁となると考える。二番目のモデルはネットワークの分断点は大きな熱障壁とならず、構造全体としての非周期性がフォノンの伝播をさまたげると考える。このモデルでは、異種物質の混合により非周期性が増加するため、珪酸塩への酸化物の添加によるフォノン散乱が増大するが、融体では非周期性がもともと高いことから珪酸塩融体の熱伝導率の組成依存性は小さいと考える。
我々の測定値および文献値からこの2つのモデルの適否について検討した

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2004 2003

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Thermal conductivity CaO-Al_2O_3-SiO_2 slag2006

    • 著者名/発表者名
      Hiromichi Ohta, Hiroyuki Shibata
    • 雑誌名

      Metallurgical and Materials Transactions 37A(発表予定)

  • [雑誌論文] Measurement of physical properties of slag formed around the raceway in the working blast furnace2004

    • 著者名/発表者名
      Shinichi Inaba, Yoshio Kmura, Hiroyuki Shibata, Hromichi Ohta
    • 雑誌名

      ISIJ International 44[12]

      ページ: 2120-2126

  • [図書] 融体材料の熱拡散率測定(最新熱測定-基礎から応用まで-,八田一郎監修)2003

    • 著者名/発表者名
      太田弘道, 柴田浩幸, 早稲田嘉夫
    • 総ページ数
      132-143
    • 出版者
      アグネ技術センター
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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