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2005 年度 実績報告書

磁場中凝固プロセスの開発と機能性組織の創成

研究課題

研究課題/領域番号 15560643
研究機関大阪大学

研究代表者

安田 秀幸  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60239762)

キーワード強磁場科学 / 配向組織 / 結晶磁気異方性 / 粗大化
研究概要

本課題では、磁場を利用した機能性組織形成を目指しており、それを実現するための溶融・凝固プロセスの開発を目指している。昨年度までに、凝固・熱処理前の初期組織に注目し、非平衡組織を利用した固液共存状態の実現、過飽和固溶体からの粗大化過程に強磁場を印加して、配向組織が形成できることを明らかにした。これらの成果をもとに、粗大化過程における配向組織形成機構の解明、ならびにモデル化、さらにレビテーショシ法などを利用した静磁場による凝固組織制御について検討した。
粗大化により結晶が成長する過程での配向組織が形成されるモデルとして、磁気エネルギーを含めた各相の熱力学的関係と拡散による変態を考えた。つまり、界面エネルギーに起因する曲率効果と結晶方位と磁場方向で決まる磁気効果が競合した状態で粗大化が進むことになる。
曲率効果と磁気異方性エネルギーを考慮した化合物の自由エネルギーを考えることにより、粗大化する化合物粒子周辺の溶質の平衡濃度を、曲率半径、磁場と容易磁化方向のなす角度の関数をして与えるモデルを考えた。マトリックス中における濃度差を駆動力として、粗大化過程のモデル化を行った。計算結果によると、粗大化前の初期結晶粒経がそろった系では、磁気エネルギーの寄与は顕著になり、配向組織の形成が期待される。昨年度に得られた成果であるBi-Mn合金系において配向組織が形成された実験結果は、磁気エネルギーを考慮した粗大化モデルに説明できた。さらに、常磁性体や反磁性体であるセラミックスにおいても焼結過程(粗大化)において配向組織が形成される機構についても説明できることを明らかにした。
また、静磁場中レビテーション法を用いて、過冷融液からの凝固過程における組織制御についても検討し、静磁場により柱状晶、等軸晶などの組織制御ができる可能性を示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 高アスペクト比ポーラスAlの作製プロセスの開発とマイクロX線トモグラフィー2005

    • 著者名/発表者名
      安中秀幸, 大中逸雄, 藤本慎司
    • 雑誌名

      日本マイクログラビティ応用学会誌 22

      ページ: 105-110

  • [雑誌論文] Fabrication of Porous Aluminum and Copper Media by using Monotectic Solidification under a Magnetic Field2005

    • 著者名/発表者名
      H.Yasuda, I.Ohnaka, B.K.Dhindaw, S.Fujimoto, N.Takezawa, 他4名
    • 雑誌名

      Mater.Sci.Forum 512

      ページ: 289-294

  • [雑誌論文] Evolution of regular monotectic structure during unidirectional solidification under a static magnetic field2005

    • 著者名/発表者名
      H.Yasuda, I.Ohnaka, B.K.Dindaw, N.Takezawa, T.Tamayama, 他4名
    • 雑誌名

      Transaction Indian Institute of Metals 58

      ページ: 625-630

  • [雑誌論文] Investigation of the melt flow on solidified structure by a levitation technique using alternative and static magnetic fields2005

    • 著者名/発表者名
      H.Yasuda, I.Ohnaka, R.Ishii, S.Fujita, Y.Tamura
    • 雑誌名

      ISIJ International 45

      ページ: 991-996

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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