研究課題
鉄鋼プロセスの高生産性、高品質化に対する要求は益々高くなってきたが、地球環境を守り、持続的発展を達成する為、更なるエネルギー、資源の節約が要請されている。外部からのエネルギー供給を最小化して、省エネルギーに努め、かつ効率よく混合・分離作用が生じるプロセスの開発が緊急かつ重要である。著者等は濡れ性が悪く、かつ密度差の大きな物質を外部エネルギーなしに混合出来る反応器として漏斗型混合器を提案した。漏斗部、混合部、オーバーフロー管部から構成される。良好な旋回流を効果的に発生させ、効率的に維持する為には漏斗の形状など様々な最適条件の検討を要する。また一般に液体金属は固体壁と濡れ性が悪く、旋回流に対して悪影響を及ぼす可能性があるから、水と水銀を用いて漏斗に対する旋回流の様子を調べた。水モデル1.漏斗内流れは軸対称であり、ほぼ距離に反比例的な周速度である。2.自由表面近傍では比較的大きな下降流が見られ、それより内側に入ると若干上昇流が見られた後、漏斗壁まで零に近い軸速度分布が見られる。3.漏斗吐出口から半頂角40°をなす環状噴流が混合部の自由表面に突入する事により、混合管壁面近傍を流下する流れと管軸近傍を上昇する流れ、一種の循環流れが存在する。水と水銀モデル4.水平面に対する漏斗の円錐部の角度が60°以上になると、旋回流は漏斗の濡れ性にかかわらず安定し、液体金属でも安定した旋回流が発生する。5.水平面に対する漏斗の円錐部の角度が30°になると、旋回流は漏斗の濡れ性の影響を受ける。漏斗と液体の濡れ性が悪い場合は、液体が滑る事によって旋回流が安定しない。6.軸速度は、漏斗壁面近傍で上昇流、液相表面側で下降流となる。容器が濡れない場合には流動が激しく、液体流入条件が変動した際に旋回流が安定しにくい要因の一つと考えられる。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
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