研究概要 |
リードフレームに代表される電子機能材料として銅合金に要求される主なものは強度と導電性であり、集積度が増すにつれてこの要求はますます厳しいものになっている。純銅の導電率は極めて優れているが、強度、特に高温弾度が弱い。この欠点は各種合金材の添加により改善されているが、この場合、逆に導電率を下げるという問題が生ずる。現在Ag,Sn,Cr,Zrなどを少量添加した析出強化合金が造られているが、強度、導電性をともに十分に満足する合金を得るには到っていない。本研究は合金材として種々のRE(RE:希土類)金属を添加した新しい銅合金の開発を目指している。これまでにグラファイトるつぼを用い、銅-希土類合金を溶解し、希土類金属の溶解度を求めた。 この結果を参考に本年度は溶銅中の希土類元素と炭素の相互作用に関する研究を中心に行った。希土類元素としてY,La,Ce,NdおよびGdを選び、希土類元素の飽和溶解度以下の種々の濃度の銅-希土類合金をグラファイトるつぼにて溶解し、急冷試料の希土類および炭素分析を行い1473,1573,1673Kの3温度で相互作用母係数ε、相互作用助係数eを求め、以下の結果を得ている。 本温度領域でY,La,Nd,Gdに対しては、相互作用係数に温度依存性は見られず、ε^Y_C=41.0(e^Y_C=-0.128),ε^<La>_C=-64.5(e^<La>_C=-0.130),ε^<Nd>_C=-61.1(e^<Nd>_C=-0.122),ε^<Gd>_C=-58.7(e^<Gd>_C=-0.118)を得た。 これに反し、Ceに対しては、相互作用係数は温度依存性を示し、1/Tに対して次に示す直線関係を得た。 ε^<Ce>_C=20.5-15.7/T(e^<Ce>_C=0.038-31.5/T)
|