研究概要 |
前年度の風洞実験では、ダクト内にアクリル製の円柱群(円柱直径φ20mm,空隙率α=0.607)を配置することにより充填層を模擬し、円柱群内における流速ならびに乱流エネルギーを測定したが、今年度はさらに円柱間における乱流エネルギー分布の測定を行った。円柱群内主流方向の中心線上に熱線プローブ(X型プローブ,φ5μm)を円柱群後方から挿入し、円柱間において2mm間隔で流速および乱流エネルギーを算出した。乱流エネルギーは円柱近傍において小さく、そして円柱間の中央において最大値を示し、円柱間において乱流エネルギーの値に分布があることがわかった。 また、前年度までは乱流エネルギーの算出において主流方向と主流に対して直交する水平方向の2成分を測定していたが、今年度は主流方向に対して直交する鉛直方向を加えた3成分から乱流エネルギーを算出した。鉛直成分を考慮することにより乱流エネルギーは17%増加した。 数値解析に関しては前年度に引き続いて、乱流エネルギーの輸送方程式中に充填層による乱れの生成を表す項を加えた。そして、乱流エネルギーの消散率を混合距離から算出するk-1mモデルから、乱流エネルギーの消散率の輸送方程式においても充填層による乱れの生成を考慮するk-εモデルへと展開した。解析結果より、乱流エネルギーは円柱群に流入すると増大し、下流に進むにつれて一定値に漸近することが示されたが、流入条件によって値が大きく異なることがわかった。
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