研究課題/領域番号 |
15560651
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
古内 正美 金沢大学, 工学部, 助教授 (70165463)
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研究分担者 |
畑 光彦 金沢大学, 工学部, 助手 (00334756)
金岡 千嘉男 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (00019770)
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キーワード | ナノ / エアロゾル / 分離 / 濃縮 / 超音速流れ / バーチャルインパクター |
研究概要 |
1)ナノエアロゾル高速・高精度分級特性の最適化の検討 (1)定在衝撃波形成位置に及ぼす装置構造の影響 エアロゾル粒子への慣性効果に及ぼす装置構造の影響について、装置内流れ場の数値解析により検討した。検討項目は、ノズル出口周囲形状、粒子捕集プローブ幾何学形状、クリアランス(ノズル出口-捕集プローブ間距離)であり、ノズル断面形状の影響も検討した。この結果、矩形ノズルでは、捕集プローブ前面の定在衝撃波が捕集プローブに最も接近して慣性効果が最大となるクリアランスが存在すること、ノズル出口と捕集プローブ周辺での気流急拡大は慣性効果を高める一方、「よどみ点流れ」の形成を阻害する場合があること、円形ノズルはよどみ点流れを維持しながら高い慣性効果を与えられることなどを明らかにした。 (2)粒子分離特性 エアロゾル粒子の運動を解析し、装置構造と粒子分離特性の関係を調べた。また、分離特性改善と粒子沈着ロスを低減を目的とした清浄空気流(シースフロー)付与の効果を検討した。この結果、定在衝撃波-捕集プローブ間距離と50%分離径に良い相関があること、シースフローにより分離特性が改善され、矩形および円形断面でそれぞれ100、50nm前後の分離径とシャープな分離特性が得られることを示した。 2)ナノエアロゾル濃縮性能の最適化の検討 1)の結果に基づき、上流大気圧条件下でも50〜100nmの分離径、濃縮倍率10倍前後の超音速インパクターが設計可能なことを示した。また、分離径の異なるインパクター(PM1)を直列配置した場合の粒子分離特性を検討した。 3)ナノサイズ粒子分級・濃縮装置の設計・試作 1)の検討結果に基づいて装置を設計・試作し、大気エアロゾルを用いて粒子分離特性を検討した。この結果、低蒸気圧成分の消失が顕著であること、インパクター上流での水分除去によりこの影響を大幅に軽減できる場合があることなどを明らかにした。
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