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2003 年度 実績報告書

マイクロ流体デバイスによる希土類金属の高効率分離回収システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 15560656
研究機関九州大学

研究代表者

久保田 富生子  九州大学, 工学研究院, 助手 (60294899)

研究分担者 後藤 雅宏  九州大学, 工学研究院, 教授 (10211921)
キーワードマイクロチャンネル / 液液抽出 / 分離 / 希土類 / PC-88A / 液膜 / 界面 / マイクロチップ
研究概要

本研究の目的は、マイクロ流体デバイスを溶媒抽出法に適用し、これによって希土類金属をモデルとした高効率の金属の分離回収システムを開発することである。
まず、シリコン、ガラス基板上に100〜400μm幅のチャンネルによる抽出反応器を作成した。本装置を溶媒抽出に用いるためには、マイクロチャンネル内で油水二相が安定な液液界面を形成し、各相がそのまま分岐してそれぞれの出口から流出する必要がある。本研究では、有機相側流路を疎水化処理し、操作条件をコントロールすることにより、長さ20cmまでのリアクターを抽出装置として稼働させることに成功した。さらに、同じ手法で、入口、出口それぞれ三つを有するチャネル内で、水-油-水の三相流を形成し、出口での良好な相分離を可能にした。
二相流型装置を用いて、PC-88Aによる希土類金属の抽出、逆抽出速度を測定した。速度におよぼす操作条件の影響を解析し、その抽出挙動を検討した結果、マイクロ空間においても従来のマクロな抽出装置と同様の抽出特性が見られることが明らかとなった。本装置では、従来法に比べ大きな抽出速度が得られたが、これが比界面積の増大、分子拡散距離の短小化という装置縮小化の効果によるものであることを明らかにした。最適な装置設計、条件設定により、希土類金属を高抽出率で良好に分離することが可能となることを明らかにした。
これらの実験結果をもとに、三相流型装置を設計した。PC-88Aをキャリヤーとした液膜操作により、YとZnを含む供給相から、Yのみを受容相に回収することに成功した。
以上本研究で、高効率分離を可能にする装置設計と作成および抽出操作に関する基礎的知見を得た。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] F.Kubota, M.Gotoら: "Extraction and Separation of Rare Earth Metals by A Microreactor"Solv.Extr.Res.and Devel.Japan. Vol.10. 93-102 (2003)

  • [文献書誌] K.Nakashima, F.Kubotaら: "Ionic Liquids as A Novel Solvent for Lanthanide Extraction"Anal.Sci.. Vol.19. 1097-1098 (2003)

  • [文献書誌] F.Kubota, M.Gotoら: "Solvent Extraction of Rare Earth Metals by Microchannel Extractor"J.Ion Exchange. Vol.14. 361-364 (2003)

  • [文献書誌] T.Maruyama, F.Kubotaら: "Enzymatic Degradation of P-Chlorophenol in A Two-Phase Flow Microchannel System"Lab on a Chip. Vol.3. 315-319 (2003)

  • [文献書誌] 後藤雅宏, 久保田富生子ら: "選択的分離技術としての液膜法の新展開"ケミカルエンジニヤリング. 48巻5号. 377-383 (2003)

  • [文献書誌] 後藤雅宏, 久保田富生子: "海水中のイオンを識別する抽出試薬カリックスアレーン"日本海水学会誌. 57巻4号. 270-273 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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