研究課題/領域番号 |
15560657
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
福井 啓介 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50047635)
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研究分担者 |
朝熊 祐介 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40364038)
前田 光治 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00264838)
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キーワード | Impurity Distribution / Solid-liquid Interface / Melt crystallization / Simulations / Functional Interface / Phase Equilibrium |
研究概要 |
融液(ここでは疎水性有機固体(飽和脂肪酸混合物)を示す)の結晶化または固化現象を利用し、結晶のナノ構造を創生するには、熱および物質移動状態を制御することが重要である。さらに、熱および物質移動は融液の流動状態すなわち運動量移動に支配されている。このように、融液晶析は液体から固体への相変化、熱、物質および運動量の同時移動を伴うことになる。さらに、融液の結晶化過程は固液相平衡状態でなく非平衡状態である。従って、融液の結晶化を制御するには、結晶表面、すなわち液体と固体の界面における非平衡状態での溶質の分配機構を解明することが最も重要である。本研究での融液は、内管が冷却された二重円管の環状部融液を流し、内管表面に結晶層を生成させ、結晶層を生成する。 これまでに結晶における不純物の分配を測定した。また、溶質の分配に重要な結晶成長速度も測定した。操作変数は冷却面温度と流量(Re数)とした。その結果、結晶層が厚くなるにつれ結晶純度が増加するが、結晶層表面近傍では純度低下が起った。 結晶成長時における固液界面での溶質の分配は熱力学的非平衡状態の相変化過程であるが、我々は、その分配理論をすでに提案している(J.Chem.Phys.,1998)。現在、この理論により、本研究で得られた結晶層内部の結晶純度の測定結果を予測する手法を構築しようとしている。 また、有機化合物の固液平衡データの系統的な測定と熱力学モデルによる評価、分子シミュレーションにより固液相転移挙動を分子レベルで解析した。今後、ナノサイズレベルのクラスター、結晶核の同定、結晶相成長実験を行い、固液界面のAFMによりナノサイズの構造体の観察を行う。さらに、液固相変化をCFD (Computational Fluid Dynamics)により再現し、ナノサイズ構造体の生成と操作方法を確立する。最後に、結晶ナノ構造を制御する操作技術とその理論を構築する。
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