研究課題/領域番号 |
15560658
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
船造 俊孝 中央大学, 理工学部, 教授 (60165454)
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研究分担者 |
影井 清一郎 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (20017966)
福澤 信一 中央大学, 理工学部, 教授 (50173331)
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キーワード | 拡散係数 / 非定常応答法 / Taylor法 / クロマトグラフィックインパルス応答法 / 相関式 / 超臨界流体 |
研究概要 |
分子量の大きな溶質分子の拡散係数測定を目的として、水中における溶質の拡散係数についてはTaylor法測定装置を、超臨界二酸化炭素中についてはTaylor法および内側に高分子液膜を被服した拡散管を用いるクロマトグラフィックインパルス応答(CIR)法測定装置を製作した。このCIR法は本研究代表者のグループが開発した測定方法で、これまでの測定装置を改良したものである。 拡散係数値を測定した溶質は、水中においては20種類のアミノ酸について常圧下、0-80℃の温度範囲で、また、超臨界二酸化炭素中については、β-carotene、α-tocopherol、docosaheaenoic acid, eicosapentaenoic acid、α-linolenic acid、linoleic acid 、arachidonic acidについての無限希釈相互拡散係数を35-70℃、圧力8-30MPaの範囲で測定した。アミノ酸の測定では拡散管内壁への吸着効果を減じるために、フューズドシリカ管を拡散管として用いた。超臨界二酸化炭素中においては、極性物質のエチレングリコールを被服ポリマーとして用いることで溶質の保持時間を増加させ、ほぼ左右対称の応答曲線を得ることができ、管壁への吸着効果を減じた。 測定値の相関では、水中のアミノ酸類の拡散係数についてはStokes-Einstein式に基づく既往の推算式の推算精度を検討し、また、温度および水の粘度との相関式で精度よく相関可能であることを示した。温度、圧力一定下では、拡散係数値は溶質分子量の増加に伴って減少するが、拡散係数値は溶質分子量よりも溶質沸点分子容の方が、より精度よく相関できることがわかった。超臨界二酸化炭素中の各種脂質の拡散係数測定では、水中のアミノ酸の場合と同様に、溶質分子量の増大に伴って、拡散係数値は減少した。しかし、長鎖脂肪酸の沸点分子容の推算精度が低いので、代わりにvan der Waals径を用いて、溶質の分子サイズと拡散係数値の関係を明らかにした。
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