研究課題/領域番号 |
15560658
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
船造 俊孝 中央大学, 理工学部, 教授 (60165454)
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研究分担者 |
影井 清一郎 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (20017966)
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キーワード | 拡散係数 / 非定常応答法 / Taylor法 / クロマトグラフィックインパルス応答 / 相関式 / 超臨界流体 |
研究概要 |
本年度は分子量の大きな溶質の拡散係数測定を目的として、Taylor法の種々の欠点を補うために本研究者グループが開発したクロマトグラフィックインパルス応答(CIR法)法について、測定方法の妥当性、精度、測定誤差、解析方法等について理論的・実験的な検証を行った。 これまで、中空のキャピラリーカラムを用いる非定常応答法の一種であるTaylor法については理論上の妥当性、解析方法、2次流れの影響について多くの研究があり、これらの点についてはほぼ解明されている。しかし、高分子を内壁にコーティングしたキャピラリーカラムを用いるCIR法については低分子化合物の拡散係数値がTaylor法による値とよく一致しているものの、Taylor法で測定が困難な分子量の大きな、また極性のある物質の測定値について、CIR法による測定の妥当性や精度、2次流れの影響など不明であった。本年度、検出限界ぎりぎりまでの微量注入による測定を通して、ベースライン補正、応答曲線の周波数分解によるノイズ処理と検出限界、拡散係数値の注入量依存性などをひとつひとつ検証した。その結果、極性物質についてはTaylor法よりはるかに測定精度が高いが、分配係数値kが非常に小さな場合(k<0.1)では、算出される拡散係数値の誤差が大きくなることが分かった。 さらに、拡散管は温度制御などの制約から、一般にコイル状に巻かれてあるので、管内の流体は遠心力のために2次流れが起こり、算出される拡散係数値は真の値より大きくなる。新たに級数展開による2次流れの補正式を提案した。これは2次流れの影響を含む拡散係数値から真の値を算出するもので、2次流れの影響が出ない最高流速の2倍程度までの測定なら十分補正できることをCIR法とTaylor法の両方の測定データを用いて実証した。以上のほかに、超臨界二酸化炭素中における不飽和脂肪酸とその誘導体の拡散係数を測定し、拡散係数と不飽和度との関係を明らかにした。
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