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2004 年度 実績報告書

高性能脱水素触媒としてのメソ・マクロ細孔構造を有するフェライトの新規調製法

研究課題

研究課題/領域番号 15560670
研究機関関西大学

研究代表者

池永 直樹  関西大学, 工学部, 助教授 (20232209)

研究分担者 鈴木 俊光  関西大学, 工学部, 教授 (70026045)
キーワードフェライト / メソ孔 / 脱硫剤 / 硫化水素
研究概要

水産廃棄物であるカキ殻から多孔質の硫化水素吸収剤(カルシウムフェライト)を調製することを試みた。Fe(NO_3)_3とカキ殻との混合スラリーに担体(ヤルーン炭:YL、おから、おがくず)を加え、24h攪拌して含浸担持させ、減圧乾燥後、空気流通下、500℃、2h焼成して吸収剤を調製した。調製した吸収剤のキャラクタリゼーションをXRD、N_2吸着およびSEMを用いて行った後、硫化水素吸収試験に供した。
XRD測定の結果、CaFe_2O_4に帰属されるピークが検出されなかったが、比表面積は30m^2/gとなり、担体を加えずに調製した吸収剤と比較して増加した。一方、吸収剤の表面構造をSEMで観察した結果、単味のカキ殻では平滑な表面構造を示したのに対し、YLおよびおがくずを用いて含浸法で調製した吸収剤ではスポンジ状の多孔質構造を示した。
固定床流通式反応装置を用いて、脱硫温度500℃での硫化水素の破過挙動を観察した。単味のカキ殻および乾式法で調製した吸収剤を用いたときには吸収率は5〜12%となり、ほとんど硫化水素は吸収されなかった。一方、YLを用いた吸収剤では吸収率は102%と高い値を示し、破過までの間、出口ガス中の硫化水素濃度を1ppm以下に保っていた。おがくずを用いて調製した吸収剤では吸収率は94%となり、出口ガス中の硫化水素濃度も1ppm程度であった。ここで、吸収性能の良かった吸収剤の表面構造は凸凹としたスポンジ状であり、吸収率の低かった吸収剤では平滑な表面構造をしていることから、比表面積に寄与しないような表面構造が、硫化水素吸収に大きく関与していると考えられる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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