研究課題/領域番号 |
15560681
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
松下 琢 崇城大学, 工学部, 助教授 (10209538)
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研究分担者 |
上岡 龍一 崇城大学, 工学部, 教授 (70099076)
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キーワード | 肝幹細胞 / 肝芽細胞 / 人工肝臓 / 再生医療 / ヒト胎児肝細胞 / 酪酸ナトリウム / PIVKA-II / 形質転換マーカー |
研究概要 |
1、正常ヒト肝幹細胞の増殖に伴う形質転換(がん化)とその防止に関する研究 正常ヒト肝幹細胞(肝芽細胞)の大量増殖に伴って細胞が形質転換したら、再生医療や人工肝臓開発を安全に行うことはできない。実際に肝芽細胞と形質転換した肝がん細胞は、様々なマーカータンパク質の発現が酷似しており、両者を識別する検査方法の確立が肝幹細胞の安全な増殖プロセスの開発には重要である。昨年までに本研究では、肝がん細胞マーカーであるPIVKA-II(異常プロトロンビン)に着目し、正常ヒト胎児肝細胞と形質転換した肝細胞はPIVKA-IIで識別可能であることを示した。そこで今年度は、上記の酪酸ナトリウム処理がPIVKA-II発現に与える影響について検討を行った。その結果、酪酸ナトリウム処理によって肝芽細胞のPIVKA-II生産は、大きく増大してしまうことが示された。しかしその影響は酪酸ナトリウムの濃度依存的であり、1mM濃度ではほとんどPIVKA-II生産は影響を受けなかった。また培地中にビタミンKを添加することで、この細胞の形質転換が抑制された。 2、正常ヒト肝幹細胞を利用した人工肝臓開発のための培養担体素材の検討 本研究では、人工肝臓の装置化に必要な最適な細胞培養担体の素材について、上記の肝幹細胞の増殖・機能発現・形質転換(がん化)の抑制の観点からさらに詳細に検討を行った。その結果、最高到達細胞密度に関してはシランの多孔質担体が良く(42x10^7cells/cm^3)、シトクロームP450活性(CYP3A4)についてはハイドロキシアパタイトの多孔質担体が良好であることが見い出された。但し、アルコール代謝機能については天然アパタイト(牛骨)が良好で、機能によって最適な担体が異なる可能性が示唆された。今後は人工肝臓にとって必要な解毒機能を中心に最適担体を絞り込んでいく必要があるものと思われる。
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