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2004 年度 実績報告書

正常ヒト肝幹細胞の分離・増殖及び分化誘導の効率的プロセス構築と人工肝臓への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15560681
研究機関崇城大学

研究代表者

松下 琢  崇城大学, 工学部, 助教授 (10209538)

研究分担者 上岡 龍一  崇城大学, 工学部, 教授 (70099076)
キーワード肝幹細胞 / 肝芽細胞 / 人工肝臓 / 再生医療 / ヒト胎児肝細胞 / 酪酸ナトリウム / PIVKA-II / 形質転換マーカー
研究概要

1、正常ヒト肝幹細胞の増殖に伴う形質転換(がん化)とその防止に関する研究
正常ヒト肝幹細胞(肝芽細胞)の大量増殖に伴って細胞が形質転換したら、再生医療や人工肝臓開発を安全に行うことはできない。実際に肝芽細胞と形質転換した肝がん細胞は、様々なマーカータンパク質の発現が酷似しており、両者を識別する検査方法の確立が肝幹細胞の安全な増殖プロセスの開発には重要である。昨年までに本研究では、肝がん細胞マーカーであるPIVKA-II(異常プロトロンビン)に着目し、正常ヒト胎児肝細胞と形質転換した肝細胞はPIVKA-IIで識別可能であることを示した。そこで今年度は、上記の酪酸ナトリウム処理がPIVKA-II発現に与える影響について検討を行った。その結果、酪酸ナトリウム処理によって肝芽細胞のPIVKA-II生産は、大きく増大してしまうことが示された。しかしその影響は酪酸ナトリウムの濃度依存的であり、1mM濃度ではほとんどPIVKA-II生産は影響を受けなかった。また培地中にビタミンKを添加することで、この細胞の形質転換が抑制された。
2、正常ヒト肝幹細胞を利用した人工肝臓開発のための培養担体素材の検討
本研究では、人工肝臓の装置化に必要な最適な細胞培養担体の素材について、上記の肝幹細胞の増殖・機能発現・形質転換(がん化)の抑制の観点からさらに詳細に検討を行った。その結果、最高到達細胞密度に関してはシランの多孔質担体が良く(42x10^7cells/cm^3)、シトクロームP450活性(CYP3A4)についてはハイドロキシアパタイトの多孔質担体が良好であることが見い出された。但し、アルコール代謝機能については天然アパタイト(牛骨)が良好で、機能によって最適な担体が異なる可能性が示唆された。今後は人工肝臓にとって必要な解毒機能を中心に最適担体を絞り込んでいく必要があるものと思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Inhibitory effects of extracts from Shochu distillation remnants on the growth of human stomach tumor cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Y Kadota
    • 雑誌名

      Journal of Chemical Engineering of Japan 38巻2号

      ページ: 154-157

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Novel mechanism of hybrid liposomes-induce apoptosis in human tumor cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Y Matsumoto
    • 雑誌名

      International Journal of Cancer 115巻(In press)

  • [雑誌論文] 人工肝臓開発のための細胞源の検討-肝幹細胞の利用とがん化(形質転換)の抑制-2004

    • 著者名/発表者名
      松下 琢
    • 雑誌名

      化学工学会沖縄大会研究発表講演要旨集

      ページ: 19

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 正常ヒト肝幹細胞を用いた人工肝臓開発のための基礎的研究2004

    • 著者名/発表者名
      松下 琢
    • 雑誌名

      化学工学会秋田大会研究発表講演要旨集

      ページ: SA218

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] ヒト肝幹細胞の効率的取得とスフェロイド形成による肝機能向上に関する研究2004

    • 著者名/発表者名
      清田 章文
    • 雑誌名

      第41回化学関連支部合同九州大会講演予稿集

      ページ: 265

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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