研究課題/領域番号 |
15560696
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
増山 豊 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10101362)
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研究分担者 |
桜井 晃 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80037952)
深澤 塔一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80143171)
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キーワード | 菱垣廻船 / 弁才船 / 上手回し / 下手回し / 海上実験 / 渦格子法 / 操縦運動 / 帆の風洞試験 |
研究概要 |
1.セールダイナモメータ船「風神」を用いた帆の性能試験 弁才型帆の実船の1/3.5スケールの帆を製作し、セールダイナモメータ船「風神」に取付けて海上実験を行った。まず定常帆走試験を行って、種々の風向風速のもとで帆に作用する流体力を測定した。また同時に帆形状を撮影して数値計算用の入力データを作成した。次いで下手回し操船を行い、帆に作用する動的な流体力変化を明らかにするとともに、操縦運動性能を調べた。この結果、下手回しは回頭中の流体力変化が少なく、この種の帆船にとって安全な操船手法であることが明らかになった。これらは平成16年度に実施する上手回し操船の基礎実験となるとともに、実験結果を比較する上で重要なものとなった。 2.自由流出型渦格子法を用いた帆流体力の数値計算 これまでの風洞実験結果、ならびに1.の海上実験時の帆形状から作成された入力データを用いて、自由流出型渦格子法によって帆に作用する流体力を計算した。その結果、剥離の少ない状況において風洞試験結果、ならびに海上試験結果とよく一致することが分かった。これにより、本手法がこのような横帆に対して適用可能であることが分かったので、これを上手回し時の計算に適用し、最も効率の良い操帆法を示すことができるようになった。 3.風洞を用いた1/30スケール帆模型による流体力の検証 桜井が現有している風洞設備(測定部 1.5m×3mの開放型)を用いて、1/30スケールの帆模型により1.の海上実験の補完を行った。さらに、上手回しを想定した風上帆走時の帆性能を詳細に調べた。これによって上手回しの操縦運動シミュレーションが可能になり、「風神」による上手回し操船時の具体的な繰帆法を明らかにすることができた。
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