研究概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、バーチャルファクトリーの基礎的な研究を行った。 1.RFIDの調査研究 近年物流分野で著しい発展・普及を続けているRFID(ICタグ)を造船分野へ適用すべく,調査・研究を行った。 対象として部品数の多い配管類の部品管理に適用することとし,金属対応のRFIDのキットを購入し,ICタグの取り付け方,RFIDの耐久強度(強度実験を実施),通信範囲,などの調査を実施した。また,造船所と共同して,現場でのデータの送受信の方式,必要なデータ構成,ICタグの保護などについて調査を行った。これらの結果は速報として日本機械学会中四国支部で発表したほか,日本船舶海洋工学会H17年春季講演会でも発表の予定である。 2.スケジューリングシステム 船舶の建造計画でキーとなるのは船殻ブロック組立のスケジューリングである。今年度は内業工場での工程計画に動的スケジューリングの手法を応用し,故障やイレギュラーな事態が生じた際の対処法について研究した。また,組立定盤での有効なブロック配置についてシミュレーティッドアニーリング手法を使ったプログラムを開発した。内業工場から出棟後の艤装・塗装工程については,汎用シミュレーションソフトを使って,最適な場所計画を検討し,工程短縮のアイデアを提案した。来年度も引き続きこれらの知能化を計る。 3.研究発表 前年度研究した成果を,日本造船学会など各種の論文誌に投稿した。一覧を次ページに示す。また,今年度実施した研究成果は現在,国内外で発表するよう準備中である。
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