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2004 年度 実績報告書

秋田平野における地中熱利用最適化のための地下水流動調査および熱輸送解析

研究課題

研究課題/領域番号 15560701
研究機関九州大学

研究代表者

藤井 光  九州大学, 工学研究院, 助教授 (80332526)

研究分担者 内田 洋平  産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究員 (90356577)
キーワード地下水 / 地中熱利用 / 数値モデリング / 秋田平野 / フィールド調査
研究概要

地中熱を効率よく利用するためには、地下温度分布に影響を与える地下水流動系を把握し、これを挙動予測に反映させる必要がある。本研究は秋田平野を対象として(1)フィールド測定による地下温度分布および地下水の涵養から流出にいたる地下水流動系の解明、(2)秋田平野の広域的な地下水流動系モデルによる地下温度分布・地下水流速分布の把握、(3)秋田平野中央部に建設された地中熱利用システムの長期挙動予測、などに関する検討を行った。
フィールド測定では、消雪用深井戸、一般家庭用浅井戸、湧水、河川を対象に地下水調査を行った。浅井戸では、地下水位を測定し地下水面図を得た。深井戸では2m間隔で地下水温度測定を行って鉛直温度プロファイルを得た。水質分析に関しては、現地にてpH、電気伝導度を測定した。
地下水流動モデリングではWASY社の3次元地下水流動・熱移流シミュレーションソフトFEFLOWを使用し、秋田平野を対象とした広域的な3次元地下水流動・熱移流シミュレーションモデルを作成した。数値計算の結果、秋田平野の平均地下水流動は1.38×10^<-4>(m/d)、流向は東方より西方と推定された。温度分布と地下水位に関して、計算結果はフィールド調査の測定結果と良好な一致を示した。
続いて、地下水流系モデリングから得られた地下水流速・流向に基づき、FEFLOWを用いて秋田平野中央部に建設された公共施設に設置された地中熱利用空調システムの長期挙動予測を行った。その結果、同システム位置では地下水流速が小さいため、顕著な熱交換量の改善効果はみられないが、熱交換井の地下水流れに対する位置(上流側又は下流側)により長期的には熱交換量の経年低下傾向に差が見られることがわかった。また、同システムでは地下水流速が不十分なため冬季の暖房における成績係数の経年低下を防ぐためには、最低2ヶ月間の夏季の蓄熱運転が必要であることが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Development of Energy Supply Systems Using Abandoned Deep Wells2005

    • 著者名/発表者名
      Hikari Fujii et al.
    • 雑誌名

      Proc.World Geothermal Congress 2005 (in press)

  • [雑誌論文] Numerical Simulation of Large-Scale GCHP Systems in the Presence of Groundwater Flow2004

    • 著者名/発表者名
      Hikari Fujii et al.
    • 雑誌名

      Geothermal Resources Council Transactions 28

      ページ: 79-84

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Improvements on Analytical Modeling for Vertical U-tube Ground Heat Exchangers2004

    • 著者名/発表者名
      Hikari Fujii et al.
    • 雑誌名

      Geothermal Resources Council Transactions 28

      ページ: 73-77

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 大地結合ヒートポンプシステムを用いた融雪システムの設計に関する実験的および数値的検討2004

    • 著者名/発表者名
      藤井光ほか
    • 雑誌名

      日本地熱学会誌 26

      ページ: 39-57

  • [雑誌論文] 休止坑井を用いたエネルギー利用システムの開発2004

    • 著者名/発表者名
      藤井光ほか
    • 雑誌名

      石油技術協会春季講演会 講演要旨集

      ページ: 142

  • [雑誌論文] 地下水流動の存在する地中熱利用システムの長期挙動予測2004

    • 著者名/発表者名
      藤井光ほか
    • 雑誌名

      日本地熱学会つくば大会 講演要旨集

      ページ: A08

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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