研究課題
基盤研究(C)
本研究は、希薄有害イオンを含む廃水の迅速完全除去に関して、独自の方法により達成することを目的としたものである。有害イオンが希薄(数mg/l程度)で鉄イオンが多量(数100mg/l程度)存在する廃水を想定した場合、通常は鉄を中和して水酸化鉄の沈殿(スラッジ)を生成させ、固液分離する方法であり、カドミウムはスラッジとともに共沈し、スラッジ内に包含されるため、カドミウムは分離できない。カドミウムイオンのみが硫化物イオンとともに選択的に沈殿される条件下では微量の沈殿しかできず固液分離ができないため、今日では全く採用されていない。この場合、硫化物イオンをカドミウムに対して数等量程度添加することにより、カドミウムの全量および一部の鉄が硫化物として沈殿生成するので、たとえ極微量、極微細な沈殿が生成しても完全に迅速分離することができればこの方法が優れた方法であることは間違いない。本研究者はかねてより極微細、極微量の粒子を簡単に、迅速分離する方法を開発し成功した。今回は重金属イオンばかりでなく、砒素、セレンなどの有害な陰イオンについても検討した。第一の研究では、希薄カドミウムイオンを含む溶液に硫化物イオンを添加して硫化カドミウムの沈殿を生成させ、微量微細な硫化カドミウム粒子を迅速に完全分離する方法を検討し、迅速完全分離が可能であることがわかった。第二の方法は硫化物イオンを添加する代わりに、硫酸還元菌を用いて処理する方法を検討した。その結果、残留有機物を小さく制御できる方法により、カドミウムイオンの選択的除去に成功した。第三の方法は、地熱水の様に砒素が微量含有する溶液に対して、選択的に砒素を迅速に除去する方法を検討した。ヒ素の存在しない地熱水は温泉水として利用できる。第四の方法は、通常の酸性坑廃水処理における繰り返し殿物処理法で発生する低濃度のSSの完全迅速除去であり、これが簡便に行えることがわかった。
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