研究課題/領域番号 |
15560721
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研究機関 | 特殊法人日本原子力研究所 |
研究代表者 |
岸本 泰明 特殊法人日本原子力研究所, 那珂研究所・炉心プラズマ研究部・プラズマ理論研究室・主任, 研究員・室長 (10344441)
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研究分担者 |
LI J. Q. 特殊法人日本原子力研究所, 那珂研究所・炉心プラズマ研究部・プラズマ理論研究室, リサーチフェロー
宮戸 直亮 特殊法人日本原子力研究所, 那珂研究所・炉心プラズマ研究部・プラズマ理論研究室, 博士研究員 (80370477)
井戸村 泰宏 特殊法人日本原子力研究所, 那珂研究所・炉心プラズマ研究部・プラズマ理論研究室, 研究員 (00354580)
矢木 雅俊 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (70274537)
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キーワード | 多階層・複合系プラズマ / 乱流間相互作用 / ジャイロ流体シミュレーション / 電子温度勾配モード / イオン温度勾配モード / 層流・帯状流 / フラクタル次元 / 確率密度分布関数 |
研究概要 |
本研究は、核融合プラズマにおいて創出される内部輸送障壁等の顕著な輸送現象を支配する物理過程を解明するため、トカマクプラズマ中に発生する幅広い時空間スケールの揺らぎと揺らぎ間の相互作用を解析する"多階層・複合系プラズマ"に関わる理論・シミュレーション手法を開拓することを目的としている。 これを行うため本年度は、ジャイロ流体モデルに基づくミクロスケールの電子温度勾配乱流とその乱流の非線形相互作用によって生成される層流(帯状流)のダイナミックスとスペクトル構造を明らかにした。特に、磁場構造(磁気シア)の制御によって電子温度勾配乱流における乱流成分と層流成分の配分を制御できることを見出すとともに、反転磁気シア放電等で実現する弱磁気シアプラズマ配位では急峻な温度勾配領域において揺らぎのエネルギーの多くが層流成分に転化され、温度勾配とともに輸送係数が増大する異常輸送特性が消失することを明らかにした。また、この過程で生成されたミクロスケールの層流成分は、よりマクロな時空間構造を有するイオン温度勾配乱流等のイオン系乱流に作用し、間欠的な輸送現象や抑制効果をもたらすことを新たに見出すとともに、波数・周波数空間の幅広いダイナミックレンジを統一的に扱う重要性を示した。さらに、この乱流成分と層流成分が混在した揺らぎの構造を特徴付けるため、フラクタル次元や確率密度分布関数(PDF)等の統計量に準拠した研究を進展させた。層流成分の増大とともに揺らぎの次元数が大幅に低下し少数自由度系としての特性を示すとともに、よりコヒーレントな過程により輸送が支配されていること等を明らかにした。 併せて、メソスケールのイオン系と装置全体に及ぶグローバルな電磁流体力学(MHD)不安定性を統一的に扱うことが可能なジャイロ流体モデルに基づくトロイダル配位のシミュレーションコードの開発に着手し、イオン温度勾配乱流とトロイダル性が強く関与した時間的に振動する帯状流の構造に関しての知見を得た。
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