研究課題
昨年度に実施された300℃/450℃温度変動照射が格子間原子集合体と原子空孔集合体の回復に非常に有効であった。実際に応用されることを想定して、高い温度450℃より低い温度での照射が実施されやすいため、高温側の温度を450℃から400℃まで下げた。照射された材料は昨年度と同じように原子炉圧力容器鋼の二元系モデル合金Fe-0.15wt%Cu、Fe-0.3wt%Cu、Fe-0.6wt%Cuと三元系合金Fe-0.15wt%Cu-0.25wt%C、Fe-0.3wt%Cu-0.25wt%Cであった。また、温度変動条件下での組織変化の機構を解明するため、300℃一定温度で昨年度より高い照射量の照射も行った。温度変動照射の照射量は3x10^<-3>dpaで、その内400℃高温での照射量は3x10^<-4>dpaである。300℃一定温度の照射量は1.6x10^<-2>dpaである。照射後に、微細組織の変化を調べるために、陽電子寿命測定及び同時計数ドップラー広がり測定を行った。300℃一定温度照射したいずれの合金においても、照射によってマイクロボイドとCuの析出物が形成された。照射初期にマイクロボイド成長の照射量依存性は二段階に分かれる。まず、照射量の増加と共に、マイクロボイドは一度成長した後に、小さくなった。これに対して、マイクロボイド成長段階においてはCu析出がほとんど変化しなかった。逆に、マイクロボイドが小さくなると共に、析出が増加する。これはマイクロボイドの中にCuが析出したことを示唆している。300℃一定温度照射に比べ、300℃/450℃温度変動照射の方がマイクロボイドのサイズ及び密度が小さくなった。格子間原子集合体も回復した。300℃/450℃温度変動照射より300℃/400℃温度変動の方が格子間原子集合体と原子空孔集合体の回復が遅れた。また、300℃/450℃温度変動の方がCuの析出が顕著であった。
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