研究課題
基盤研究(C)
本研究は、大阪府立大学先端科学研究所の18MeV電子ライナックを用いて行った。電子線のエネルギーは、放射化の問題がない10MeV付近を選んだ。照射場の確立のために、微弱電子線の計測法やビーム輸送法を新たに開発した。この結果、パルスあたりの電子線の電荷量3fCが得られ、当初の目標を達成した。さらに電荷量を減らすことも可能である。真空窓を通過したビームを、集束または広げて照射することが可能で、後者の場合目標とした線量100μSv以下での照射が可能になった。このような照射場はこれまで確立されていなかった。個人被ばく線量計として用いられている熱蛍光線量計に対して種々の条件で照射を行い、特性を測定した。これをガンマ線照射の結果と比較した。このような高エネルギー電子線照射のデータはこれまで得られていなかった。また熱蛍光線量計よりさらに高感度のイメージングプレートを利用して、2次元の電子線線量分布が得られた。模擬欠陥を配置した板状試料の電子線透過像が得られ、高エネルギーパルス電子線ラジオグラフィーの基礎が確立された。また以上の結果から、高感度線量計が超微弱電子線の線量、線量分布の計測に利用できることが明らかになった。超微弱電子線照射の、大腸菌、酵母、微生物に対する影響を調べる実験を行った。ガンマ線照射効果や計測法について成果が得られたが、詳細な照射実験の実施は今後の課題である。本研究で開発された超微弱加速器電子線照射場は、今後広く照射実験に利用され、さまざまな研究分野で多くの知見が得られるものと期待される。
すべて 2005 2004 その他
すべて 雑誌論文 (6件)
Proc.3rd US-Japan Symp.On NDE, June 20-24, 2005, Hawaii, USA. (印刷中)
Radiat.Phys.Chem. 71
ページ: 235-238
ページ: 603-606
Proc.3rd US-Japan Symp.On NDE, June, 20-24, 2005, Hawaii, USA (in press)