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2003 年度 実績報告書

シリコン系化合物の耐放射線機構の解明とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 15560731
研究機関特殊法人日本原子力研究所

研究代表者

山口 憲司  特殊法人日本原子力研究所, 中性子利用研究センター, 副主任研究員 (50210357)

研究分担者 志村 憲一郎  特殊法人日本原子力研究所, 物質科学研究部, 博士研究員
山本 博之  特殊法人日本原子力研究所, 中性子利用研究センター, 主任研究員 (30354822)
北條 喜一  特殊法人日本原子力研究所, 企画室, 調査役 (40133318)
キーワードシリサイド / ベータ鉄シリサイド / 耐放射線性 / 半導体 / X線回析法 / 電気特性 / 照射効果 / イオンビームスパッタ蒸着法
研究概要

シリコン(Si)は半導体材料であるとともに、低放射化材料の一つとして原子力材料としての利用も期待される。しかし、照射に対して敏感であるため、本研究では、Siの耐放射線性を向上させる試みの一環として、イオンビーム等を用いてβ-FeSi_2相を創出し、Siの改質を試みた。さらに、これに対して高エネルギーイオン照射等を行い、照射前後での特性変化を調べることにより、改質Si相への照射効果を明らかにし、耐放射線性材料創製のための指針を得ることを目標に掲げた。
今年度は、まず鉄(Fe)あるいはFe-Si化合物をターゲットとするイオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法により、Si(100)基板上にβ-FeSi_2薄膜の合成を試みた。蒸着前に1〜3keVのNeイオンによるスパッタ洗浄と加熱アニールを適切に組み合わせることで、100nm程度の単相で、かつ基板とエピタキシャル関係にある高配向性β-FeSi_2薄膜が再現性よく作製できることを、X線回折法や反射高速電子回折法により明らかにした。これは、Neイオンの照射により、基板表面上の自然酸化膜が除去され、その後のアニールで照射により乱された基板の結晶性が回復し注入されたNeが脱離するばかりでなく、照射によってシリサイド化反応が促進されたためと考えられる。また、透過型電子顕微鏡による断面観察により、基板との間に急峻な界面が形成されることが分かった。このことは、β-FeSi_2とSiのヘテロ接合が可能で、半導体デバイスへの応用も有望であることを示唆している。加えて、放射光を用いたX線光電子分光法による深さ方向分析によると、薄膜上の酸化皮膜の厚さは1nm以下と非常に薄く、耐酸化性の点でも非常に優れた特性を有していることが分かった。
現在、所内の各イオン照射設備等を用いて、今年度作製したβ-FeSi_2相に対する照射改質に関する研究を進めている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Haraguchi et al.: "Effect of surface treatment of Si substrate on the crystal structure of FeSi_2 thin film formed by ion beam sputter deposition method"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 206. 313-316 (2003)

  • [文献書誌] T.Saito et al.: "Characterization of air-exposed surface of β-FeSi_2 fabricated by ion beam sputter deposition method"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 206. 321-325 (2003)

  • [文献書誌] S.Igarashi et al.: "Sputter etching of Si substrate to synthesize highly oriented R-FeSi_2 films"Transactions of Materials Research Society of Japan. 28(4). 1153-1156 (2003)

  • [文献書誌] 部家彰, 他: "IBSD法による次世代半導体材料(β-FeSi_2膜)の開発"石川県工業試験場研究報告. 52. 9-12 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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