研究概要 |
本研究では,分散型エネルギーシステムの省エネルギー化を積極的に追求するための最適運用マネジメントシステムとして,エネルギー需要量の予測,エネルギーシステムの最適運用計画,ならびにエネルギーシステムの最適制御の統合化手法を構築するとともに,それを実在エネルギーシステムに適用することによって手法の実用化のためのプロトタイプを構築することを目的としている.平成15年度における具体的な研究実績は以下の通りである. ・エネルギー需要量の予測手法の構築:エネルギー需要量の予測値と計測値の誤差に加えて予測値の時間変化を最小化する予測手法を構築し,その有効性を確認した. ・エネルギーシステムの最適運用計画手法の構築:モードトリミング法と名付けた大域的最適解の導出を可能とするような非線形最適化手法を開発し,省エネルギー化に必要なインバータの非線形特性を考慮できる最適運用計画手法の構築を行った. ・エネルギーシステムの最適制御手法の構築:エネルギーシステムの最適制御手法をモデル予測制御に基づいて構築するとともに,最適運用計画手法と階層的に結合し,最適運用計画によって得られた運転スケジュールを最適制御の目標値として利用する手法を検討した. ・動特性シミュレーションモデルの作成:動特性シミュレーションのための汎用システムの構築を行うとともに,実在エネルギーシステムの既存データに基づいてその動特性シミュレーションモデルを作成した. ・動特性シミュレーションの準備:上記の各手法を統合化し,全体の動特性シミュレーションを実施するために,データ転送に関する準備を行った.
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