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2006 年度 実績報告書

モンシロチョウ属の食性の進化に及ぼす寄生蜂の影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15570023
研究機関京都医療技術短期大学

研究代表者

佐藤 芳文  京都医療技術短期大学, 診療放射線技術学科, 教授 (80215871)

研究分担者 大崎 直太  京都大学, 大学院農学研究科, 助教授 (70127059)
キーワードエゾスジグロシロチョウ / スジグロシロチョウ / コンロンソウ / アオムシコマユバチ / 食草選択 / キレハイヌガラシ / 種間競争 / 帰化植物
研究概要

北海道におけるこれまでの調査で、キレハイヌガラシが帰化し定着した地域とまだ侵入していない地域を比較すると、モンシロチョウ属のチョウの分布が異なっていた。野外で採集した雌成虫による網室実験では、エゾスジグロシロチョウとスジグロシロチョウの食草選択性に違いがあることがわかった。ただ、野外の食草の群落で両種の幼虫を確認するのは難しかった。この両種の幼虫を識別するのは非常に難しく紛らわしい個体も見られたからである。
キレハイヌガラシの生育していない地域のコンロンソウの群落から、モンシロチョウ属幼虫を採集し、捕食寄生者による寄生率の確認と同時に、個体ごとに鑑別を行った。幼虫の識別点を、羽化した個体を同定することで確認し、新たに両種の鑑別点を明らかにすることができた。
朝里峠付近の川沿い、大沼公園近くの日暮山の麓から頂上にかけて、旭岳のコンロンソウの群落から、モンシロチョウ属幼虫を採集し個体ごとに同定していった。また、比較するために、従来スジグロチョウしかいなかった札幌市豊平区の北海道農業試験場内のコンロンソウ群落からも幼虫を採集した。いずれの地点においても最低50頭の幼虫を採集し、幼虫での鑑別、さらに羽化後の成虫での同定によってエゾスジグロシロチョウ幼虫とスジグロシロチョウ幼虫の数およびハチに寄生された個体数を調べた。
その結果、今までエゾのみと考えられたコンロンソウ群落で両種の幼虫の混生を確認することができた。また従来、スジグロしか採集できなかった農業試験場のコンロンソウ群落でハチの寄生が見られ、羽化個体はすべてエゾスジグロシロチョウであった点が、今までの知見と大きく異なった。
両種の競争は現在も続いており、キレハイヌガラシの衰退にともなってコンロンソウをめぐる争いが起こっている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Behavioral manipulation of host caterpillars by the primary parasitoid wasp Cotesia glomerata(L.) to construct defensive webs against hyperparasitism.2006

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, S, Ohsaki, N.
    • 雑誌名

      Ecological Research 21

      ページ: 570-577

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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