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2003 年度 実績報告書

植物の活性アルデヒド解毒代謝による環境ストレス耐性機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15570039
研究機関山口大学

研究代表者

真野 純一  山口大学, 総合科学実験センター, 助教授 (50243100)

研究分担者 松井 健二  山口大学, 農学部, 助教授 (90199729)
キーワード環境ストレス / 活性アルデヒド / 抗酸化防御 / 過酸化脂質 / 酸化還元酵素
研究概要

過酸化脂質から生ずる2-アルケナール(活性アルデヒド)を特異的に還元・消去するシロイヌナズナ由来の新規酵素2-アルケナールαβ-ヒドロゲナーゼ(ALH)の詳細な酵素学的性質を調べ,その植物体内での生理機能を解明するために,ALH過剰発現タバコの酸化的ストレス耐性を評価した。ALHはすでに知られている4-ヒドロキシノネナールなどの他に,9-ketooctadecadienoic acidや4-oxo-nonenalを基質として効率よく還元することが新たに明らかになった。すなわちALHは過酸化脂質由来のアルケナール,共役エノンを広く解毒する。ALH過剰発現株はメチルビオローゲン存在下での光酸素障害に耐性を示すだけでなく,非存在下でも,強光照射に対して耐性を示した。この耐性は,酸化的ストレスで生ずる活性アルデヒドの消去と,消去のための還元力消費による過剰光エネルギーの散逸の両方の効果によると考えられた。以上の結果から,植物の葉において酸化的ストレスにより活性アルデヒドが生じ,細胞に損傷をもたらすこと,ALHは細胞内で活性アルデヒドを還元・解毒することにより植物の抗酸化防御に働くことが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Koeduka, T., Stumpe, M., Matsui, K., 他2名: "Kinetics of barley FA hydroperoxide lyase are modulated by salts and detergents"Lipids. 38. 1167-1172 (2003)

  • [文献書誌] Matsui, K., Sasahara, S., Akakabe, Y., Kajiwara, T.: "Linoleic acid10-hydroperoxide as an intermediate during formation of 1-octen-3-ol from linoleic acid in Lentinus decadetes"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 67. 2280-2282 (2003)

  • [文献書誌] 松井健二, 有村源一郎: "情報科学物質として機能する植物揮発性成分の合成と制御"蛋白質核酸酵素. 48. 1793-1800 (2003)

  • [文献書誌] Kandzia, R., Stumpe, M., Berndt, E., Szalata, M., Matsui, K., Feussner, I.: "On the specificity of lipid hydroperoxide fragmentation by fatty acid hydroperoxide lyase from Arabidopsis thaliana"J.Plant Physiol.. 160. 803-809 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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