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2005 年度 実績報告書

植物の活性アルデヒド解毒代謝による環境ストレス耐性機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15570039
研究機関山口大学

研究代表者

真野 純一  山口大学, 総合科学実験センター, 助教授 (50243100)

研究分担者 松井 健二  山口大学, 農学部, 教授 (90199729)
キーワード植物 / 環境ストレス / 過酸化脂質 / アルデヒド / 強光耐性 / 葉緑体 / アクロレイン / カルビン回路
研究概要

過酸化脂質が分解して生ずる毒性の強いα,β-不飽和アルデヒド(活性アルデヒド)の植物の環境ストレス傷害への関与を照明することを目的として,以下の成果を得た。(1)植物組織からのアルデヒドの抽出と定量分析の方法を確立し,シロイヌナズナ,タバコ,ホウレンソウの葉のアルデヒド組成を比較した。葉緑体には3Z-hexenalなどのC6アルデヒドが含まれること,n-プロパナールはチラコイド膜に特有であることを明らかにした。(2)タバコにオゾンストレスを与えると,葉でのC3〜C6活性アルデヒド,ホルムアルデヒド,アセトアルデヒドからC6までの飽和アルデヒドの含量が増大することを明らかにした。(3)ホウレンソウから単離した葉緑体に活性アルデヒドを与え,暗反応(カルビン回路反応)のみが阻害されることを明らかにした。カルビン回路酵素のなかのチオール制御酵素であるホスホリブロキナーゼ,グリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼは強く阻害され,フルクトースビスホスファターゼ,セドヘプチュロースビスホスファターゼは弱く阻害された。またアルドラーゼも阻害された。一方,リブロース2リン酸カルボキシラーゼは全く阻害されなかった。複数のターゲット酵素の失活の重層的な効果によりカルビン回路全体の活性が失われると考えられた。(4)葉緑体カルビン回路に対するアクロレインの毒性はグルタチオンにより抑制されたが,アスコルビン酸によっては抑制されなかった。葉緑体にアクロレインを添加すると葉緑体内のグルタチオンがまず減少し,その後カルビン回路活性が低下した。これらの結果から,葉緑体のグルタチオンは活性アルデヒドに対する第一防御因子として働くことが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Seed deterioration due to high humidity at higgh temperature is suppressed by extremely low frequency magnetic field.2006

    • 著者名/発表者名
      Mano, J.他4名
    • 雑誌名

      Seed Science and Technology 34

      ページ: 189-192

  • [雑誌論文] Components of C6-aldehyde-induced resistance in Arabidopsis thaliana against a necrotrophic fungal pathogen, Botrytis cinerea.2006

    • 著者名/発表者名
      Kishimoto, K., Matsui, K.他2名
    • 雑誌名

      Plant Science 170

      ページ: 715-723

  • [雑誌論文] Protection against photooxidative injury of tobacco leaves by 2-alkenal reductase. Detoxication of lipid peroxide-derived reactive carbonyls.2005

    • 著者名/発表者名
      Mano, J.他9名
    • 雑誌名

      Plant Physiology 139

      ページ: 1773-1783

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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