研究課題
Na^+刺激に対するカエル皮膚での化学受容機構をあきらかにするために、皮膚でのNa^+の流入経路を免疫組織化学的方法で調べた。カエル皮膚では水も流入するので、感覚刺激としての実効的なNa^+濃度考えると、水チャネル(アクアポリン;AQP)も重要となるので、AQPの皮膚での分布も調べた。1.上皮性Na^+チャネル(ENaC)の分布局在実験動物としてヒキガエル(Bufo alvarius)、ウシガエル(Rana catesbeiana)、アマガエル(Hyla japonica)およびアフリカツメガエル(Xenopus laevis)を用いた。Xenopusのkidney A6 cell lineのENaC α-subunitのペプチドに対して作った抗体はBufo皮膚の顆粒層の第一層にあるほとんどすべての細胞と反応し、その頂上側の細胞膜が標識された。Ranaの皮膚でクローニングされたENaC (f-ENaC)のα-subunitに対する抗体はRanaとXenopusの皮膚において、顆粒層の第一層にある細胞を標識した。2.水チャネル(AQP)の分布局在アマガエル(Hyla japonica)の皮膚からクローニングされた水チャネルAQP-h3に対する抗体、抗AQP-h3抗体を作った。この抗体はアマガエル皮膚の顆粒層の第一層と第二層の細胞の膜を標識し、AQPの存在を示した。この抗体は背側の皮膚とは反応せず、腹側皮膚を反応した。しかも腰部(pelvic region)の皮膚で胸部の皮膚より強く反応した。
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