研究課題
ユーグレナの葉緑体形成過程で、細胞核にコードされて細胞質で合成されたLHCPIIの葉緑体への輸送経路を追跡するために、ユーグレナ細胞についての急速凍結置換法による固定方法の検討を行った。その結果、ユーグレナ細胞についての急速凍結置換固定の方法を確立し、その結果を基にLHCPIIタンパク質分子の動態を生体に近い細胞形態で追跡することに成功した。すなわち、従来の固定方法を変えてLHCPII前駆体タンパク質がゴルジ体を経由し、ゴルジ小胞から葉緑体へ輸送される事実を形態学的に確かなものにした。さらにユーグレナのLHCPIIの動態を免疫電顕法・連続超薄切片法を用いて三次元観察すると、ゴルジ装置由来の小胞が3層構造の葉緑体包膜の最外膜に融合する像がみられた。次に、ユーグレナの葉緑体形成過程を通常の至適温度26℃から、15℃に変化させることにより、LHCPIIタンパク質のゴルジ体通過、阻害実験を行った。すなわち、細胞質で合成されたLHCPIIの配置を経時的に免疫電顕法で観察した結果、LHCPIIは細胞核、COS構造やERに、特異的に局在したがプラスチドへの輸送はみられなかった。以上のような現象について、細胞を温度15℃に保ちLHCPIIのゴルジ体通過阻害以上のような現象について、細胞を温度15℃に保ちLHCPIIのゴルジ体通過阻害し、^<35>S放射性同位元素でパルスラベルし、細胞を分画して^<35>Sを経時的に追跡した。細胞を15℃に保つ限り、^<35>SのピークはER、ゴルジ体にあり、温度を26℃に変化するとゴルジ体のピークは急減少し、代ってプラスチドのピークが増加することが分かった。抗LHCPII抗体免疫電顕法の結果は^<35>S放射性同位元素を用いた生理化学的手法と一致した。
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