研究課題
基盤研究(C)
本研究により、イモリ視覚再生に関して、以下のような結果を得た。1.色素上皮細胞の脱分化過程ディファレンシャル・ディスプレイ法により、網膜除去後2日で発現量の増加する遺伝子DD750を見いだした。免疫組織化学的解析の結果、イモリ成体の網膜色素上皮細胞では抗血清の反応性が見られなかったが、網膜除去手術後の色素上皮細胞では強い反応性が認められた。この結果から、DD750遺伝子は神経組織の再生に関して、何らかの役割を果たしていることが推定された(久冨)。2.網膜前駆細胞の解析イモリ成体の網膜(正常網膜)および再生過程にある網膜(再生網膜)に由来するcDNAライブラリーから無作為にクローンを抽出し、EST解析を行った。両者で発現する遺伝子群に違いが認められたことから、再生網膜がより未分化な状態に変化していることが推定された。また、スタスミン、チモシン、脳由来脂肪酸結合タンパク質(B-FABP)など数種の遺伝子に関しては、in situハイブリダイゼーション法により、実際に再生過程にある網膜前駆細胞で遺伝子の発現量が増加することを明らかにした(久冨・徳永)。3.In vivoでの遺伝子ノックダウンスタスミンの塩基配列を元にアンチセンス・モルフォリノオリゴを作製し、イモリ成体の眼球内に導入した。その結果、カチオンリポソームを用いた場合は、導入されるオリゴヌクレオチドの量が少ないことが明らかになった。そこで、試薬類や導入条件を検討した結果、アンチセンスオリゴの導入により網膜構造が変性する条件を見いだしたので、ウェスタンブロット法を用いた定量的な解析を行った(久冨)。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (4件)
Developmental Brain Research 155(1)
ページ: 49-59
Dev.Brain Res. 155(1)
Biochemical and Biophysical Research Communications 322(2)
ページ: 477-482
Biochem.Biophys.Res.Commun. 322(2)