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2003 年度 実績報告書

カエル定位行動の出力解像度に関する行動学的、組織学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15570066
研究機関九州工業大学

研究代表者

中川 秀樹  九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (80212083)

キーワード定位行動 / カエル / 行動学 / 逆行性標識 / 視蓋出力細胞 / 細胞体分布 / 出力解像度 / 組織学
研究概要

1、カエルが餌であるコオロギに対して行う定位行動を詳細に調べた結果、カエルが行うターンの角度は必ずしもすべての領域にある餌に対して正確には行われず、周期性をもって、その正確性が変化することを見出した。
2、カエルが餌に対して行うターンの角速度を詳細に調べた結果、その速度は餌の位置が離れるにつれ、大きくなることが判明した。また、その速度変化は角度とともに連続的に増加するのではなく、ある角度を超えると非連続的、段階的に速度が増加することが明らかになった。
3、カエルのターンの正確性と角速度の、餌の位置に対する依存性を比較したところ、ターンの正確性が減少する角度は丁度、カエルがターンの速度を段階的に増加させる角度と一致していた。このことは餌との位置が離れ、正確なターンができなくなったとき、ターンの角速度を上げて、その誤差を補償するメカニズムを持っていることを強く示唆している。
4、カエル視蓋の出力細胞のうち、定位行動に関連していると考えられている細胞がその軸策を伸ばす同側被蓋の神核にin vivoやin vitroの標本で、HRP,Biocytin,Neurobiotinなどの神経トレーサを注入し、それらを選択的に逆行性標識する実験手法を確立した。
5、選択的に標識された細胞体をそのサイズに着目して分類するとA,Bの2つのタイプに分けることができた。
6、A,B二つのタイプの定位行動に関与する視蓋出力細胞には、細胞体の分布様式から、主に2つのタイプが存在することが明らかになった。一つは、複数の細胞体がクラスターを形成し、そのクラスターがある一定の間隔で分布しているクラスタータイプ、もう一つはクラスターを形成することなく、単独で細胞体がある一定の間隔で分布しているノンクラスタータイプであった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Yamamoto, M.Nakata, H.Nakagawa: "Input and output characteristics of collision avoidance behavior in the frog Rana catesbeiana"Brain, Behavior and Evolution. 62. 201-211 (2003)

  • [文献書誌] M.Sameshima, S.Honjo, H.Nakagawa: "The possible functional unit of the retinotectal map revealed by distribution of tectal output neurons controlling prey orienting behavior"Zoological Science. 20. 1584-1585 (2003)

  • [文献書誌] S.Honjo, H.Nakagawa: "Functional organization of the prey orienting behavior in Rana catesbeiana"Zoological Science. 20. 1585 (2003)

  • [文献書誌] M.Sameshima, H.Nakagawa, N.Matsumoto: "The functional unit of frog tectal output revealed by spatial autocorrelogram of the cellular distribution"Comparative Biochemistry and Physiology. 134A(1). 218 (2003)

  • [文献書誌] M.Nakata, H.Nakagawa: "Response properties of neurons which code collision information in the frog optic tectum"Zoological Science. 20. 1584 (2003)

  • [文献書誌] Y.Yamasaki, H.Nakagawa: "Visual information processing of depth to control escape velocity of the frog, Rana catesbeiana"Zoological Science. 20. 1585 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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