研究課題
我々はこれまでハタ科魚類の生殖腺の発達変化や性ホルモンの挙動などを調べてきた。その結果、沖縄周辺海域に生息するカンモンハタは月周期と完全に同調して成熟し、満月大潮直後に生息場であるサンゴ礁の礁湖を離れ産卵することをつきとめた。しかし、満月直後に起こることが予想される卵巣での劇的な生理変化を観察するには至っていない.本研究では満月前後におけるカンモンハタの行動と生理変化を詳細に調べることを目的としている。15年度はバイオテレメトリーを用いた満月前後の行動解析、人工飼育下で産卵を誘導させ、最終成熟から産卵に至るまでの生理変化を確認した。バイオテレメトリーを用いたカンモンハタの産卵行動追跡の結果、満月大潮の3日後までカンモンハタは礁池にいることが確認されたが、その後礁池外に移動していることがわかった。また、さらにその数日後には再び礁池内に戻ることがわかった。カンモンハタが礁池外に移動している期間、実験水槽内では産卵が確認された。現在、水槽内で産卵した個体より採取した血液中の性ステロイドと卵母細胞の形態変化を分析している。
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