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2004 年度 実績報告書

時系列画像による動物行動の高精度解析手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15570069
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

花井 一光  京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (40108642)

研究分担者 尾碕 まみこ  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (00314302)
キーワード社会性昆虫 / アリ / マウス / locomotor activity / ディジタル画像解析 / glana / 軌跡のフラクタル次元 / 時間フラクタル
研究概要

動物(ヒドラ、アリ、マウス)の行動(10-80分程度)をディジタルビデオカメラで撮影して、パソコンに取り込み、30枚/秒の連続画像ファイルとして書き出す。こうして得られた画像フレームから、自動的に動物を高精度に抽出し、その重心の位置や高次モーメントを高速に算出するCプログラムglanaを作った。glanaでは、暗い背景に白い動物、白い背景に黒い動物、両方に対応でき、行動テストの際の容器などの背景画像を入力画像列から自動的に算出、除去して、動物画像のみを抽出する。
こうして得られた重心の33ミリ秒ごとの時系列データを解析する方法を検討した。まず、動物の動いた軌跡の幾何学的なフラクタル次元を算出して解析してみた。アリやマウスはテスト容器の壁際を移動することが多いが、壁際を移動するときと、容器の中央部分を移動するときでは、軌跡のフラクタル次元が有意に異なっていた。壁際より中央部分を移動するときの方がフラクタル次元は小さい値を示した。
また、各時刻での重心の座標のデータが得られるので、その移動のダイナミックスを解析することもできる。動物が移動する様子をぼんやり眺めていると動物は動くときにはほぼ同じ速度で動いているように見えるが、各時刻で移動した距離を調べると、実際には、時刻ごとに大きく変動していた。それで、あるしきい値を設定し、その各時刻での移動距離がしきい値より小さい状態(slow state)、大きい状態(move state)に分けて、それらの持続時間を調べてみた。すると、これらの量は持続時間が短いほど頻度が高い分布を示し、この頻度分布から、slow stateやmove stateの持続時間は典型的な時間フラクタルを示すことがわかった。このときのフラクタル次元はいろいろな条件で敏感に変化する。
move stateでの移動速度を調べてみると、かなりランダムに変動はするが、その変動域はそれほど大きくはなく、動物をぼんやり眺めているとほぼ一定の速度で動き回る印象と一致する結果であった。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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