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2003 年度 実績報告書

ヒドラの散在神経系の神経生物学

研究課題

研究課題/領域番号 15570070
研究機関福岡女子大学

研究代表者

小泉 修  福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (50094777)

研究分担者 美濃部 純子  福岡女子大学, 人間環境学部, 助手 (80190718)
キーワード散在神経系 / ヒドラ / 神経環 / 神経解剖学 / 神経生理学 / 神経回路網形成 / ペプチド / 免疫組織化学
研究概要

ヒドラの単純な散在神経系を用いて、その神経回路網形成の機構を、細胞レベルと分子レベルで明らかにすることを目的に検討を行った。細胞レベルでは、様々な実験系における神経網形成を観察し、それらを比較してその制御要因を解明することを、分子レベルでは、神経分化に関係したペプチドシグナル分子の同定・作用機構の検討を行った。
(1)ペプチド性シグナル分子の大規模検索:このペプチドプロジェクトにより、i)ペプチド分子は神経情報伝達の働きのみならず形態形成や細胞分化のような発生生物学的な活性を含んだものが多数ある、ii)ペプチド分子は神経細胞に局在する神経ペプチドのみならず、上皮筋細胞に局在する上皮ペプチドもたくさんある、等の考えが明確になった。
(2)ヒドラの神経系の構造:定性的な化学解剖図に加え、体の各部の各集団の細胞数を示す定量的な解剖図も作成でき、更にこのような抗体で可視可される神経集団の全神経に占める大きさも評価した。
(3)神経回路網形成の分子機構:ヒドラ・ペプチド・プロジェクトにより、ヒドラの神経細胞の分化を抑制するペプチドファミリー(PW family)と神経細胞の分化を促進するペプチドHym355(FPQSFLPRGamide)が同定された。また、抗体作製により、PW familyは上皮細胞に局在し、Hym355は神経細胞に局在する事が判明した。また、Hym355とPWペプチドの作用機構を、再生系や再導入系を用いて検討したところ、神経分化の内の最初の過程の幹細胞からの神経分化への決定(それによる神経前駆細胞の形成)に作用することが判明した。
(4)神経回路網形成の遺伝子レベルの研究:同定したヒドラの神経ペプチドについては、全て、その遺伝子構造を明らかにした。それらを用いて、in situ hybridizationにより、発現神経細胞の分布をみることが出来た。これを抗体の場合と比較して、同一の分布であることが確認できた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Shimizu: "The diffuse nerve net in Hydra body column represents a primitive enteric nervous system."J.comp.physiol.. in Press. (2004)

  • [文献書誌] O.Koizumi: "Chemical anatomy of hydra nervous system using antibodies against hydra neuropeptides : a review."Hydrobiologia. in Press. (2004)

  • [文献書誌] Asai, D.: "Biochemical evaluation of hormonal activity of endocrine disruptors by sensing the estrogen receptor conformation changes."Peptide Science. 2002. 127-130 (2003)

  • [文献書誌] Morishita, F.: "Identification of a vasopressin-like immunoreactive substance in hydra."Peptides. 24. 17-26 (2003)

  • [文献書誌] Takahashi, T.: "Identification of a new member of the GLWamide peptide family : physiological activity and cellular localization in cnidarian polyps."Comp.Biochem.Physiol.(B). 135. 309-324 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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