1)ベンケイソウ科マンネングサ亜科、特にTelephium Cladeについて、指導する大学院生黛新造と共に、葉緑体DNAのtranFとtranLのnoncoding region及び核DNAのnoncoding regionであるITSを解析して系統解析を行った。得られた成果は論文として国際学術誌に投稿し、受理された。 2)中国・ヒマラヤに特産するマンネングサ属(Sedum)オレアデス節(Oreades)の諸形態、特に種子の断面構造及び種皮の微細形態を走査型電子顕微鏡やミクロトームにより作成した切片で観察し、比較した。 3)マンネングサ属(Sedum)のうち、最も派生的な種が中心である北アメリカ産の種の分類学的妥当性を形態学的に検討中である。この検討の過程で明らかにすることができたコゴメマンネングザについては論文とし専門誌に発表した。 4)マンネングサ属(Sedum)及びイワベンケイ属(Rhodiola)の染色体数の異数性と形態分化の関係を解析結果をまとめた論文を現在まとめている。 5)アジア産ベンケイソウ科に属する分類学上問題のある種について、分類学上の位置を正すことを目的として、可能な限りの分析を行った。この研究の過程でリュウキュウベンケイソウ属について明らかにすることができた知見を論文として専門誌に発表した。また、Kungia属の正体と系統分類学上の位置については、日本植物分類学会にて口頭発表を行った。
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