研究課題/領域番号 |
15570075
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
真山 茂樹 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40199914)
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研究分担者 |
岡野 桂樹 秋田県立大学, 生物資源学部, 助教授 (40147070)
南雲 保 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (70120706)
出井 雅彦 文教大学, 短期大学部, 教授 (60143624)
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キーワード | 珪藻 / 殻形態形成 / 系統発生 / 動的形態 / 系統学 / シリカミネラリゼーション / Pinnularia / Caloneis |
研究概要 |
羽状無縦溝珪藻Fragilaria mesorepta、羽状単縦溝珪藻Achnanthidium saprophila、羽状双縦溝珪藻Navicula brunelii、Luticola goeppertiana、Berkeleya rutilans、Diplonies papula、Caloneis bacillum、Caloneis silicula、Pinnularia brevisoctataの培養株を作成し、それぞれを同調分裂させることにより、被殻形成の過程を電子顕微鏡で明らかにした。また、これらの系統発生学的位置を18S rDNAの系統樹から明らかにし、形成過程の様式と系統関係を考察した。 殻の形態形成初期では、完成殻とは異なる鉱物化した形態が一時的に生じる。形態形成の初期〜中期において、これらの動的形態は系統的に近いもの同士で類似した様相を示しており、本研究結果は分子による系統と、完成被殻による系統分類を繋ぐ上で有用ものであることが判明しつつある。 具体的には、無縦溝珪藻の殻形成の初期過程は中心珪藻の殻形成初期過程と類似するが、中期以降では羽状珪藻の形へと変化が見られる。また、系統樹の解析で単系統群に属する分類群は、初期から中期にかけては同様の殻形態形成過程が見られている。 CaloneisおよびPinnulariaでは3種の殻形態形成を観察できたが、同時に行った系統樹の解析では同属の他種も含めて系統解析を行うことができた。こららの結果は、2属が殻形成の視点から見てもまた、18S rDNAの寒天から見ても近縁関係にあることを強く示唆するものであった。 また、Berkeleyaの殻形成は無縦溝類とは関係がないことが示された一方、その分子系統的位置はAchnanthidium、Encyonema、Gomphonemaと近縁であることが示されたが、これらは葉緑体数が1枚という形質を共有する系統群である。
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